地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

「いないいない...ばぁ」を科学的に考える



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

広告


pocket LINE




題名:「いないいない...ばぁ」を科学的に考える
報告者:エコノ

 「いないいない...ばぁ」は、小さなお子さんがいる方なら誰でも知っているフレーズである。顔の目の部分に手を当て、目隠しをして、「いないいない」とした後に、少し間を置き、その目隠しを扉を開けるがごとく、開いて「ばぁ」とする。すると、前にいる子供(主に就学前の年齢)は、きゃっきゃと喜ぶ。その反応は、まさに、効果のあることが実感でき、子供をあやすうえでとても面白いフレーズであることが分かる。ちなみに、英語圏ではこの「いないいないばぁ」は「Peekaboo、Peek-a-boo」とされるが、その方法は日本とは少し異なり、自分の顔を両手で覆った後「Peek-a-boo!」と言い、両手を顔からどけるとされる1)。
 「いないいない...ばぁ」を喜ぶ子供は、生後6カ月ぐらいである1)。この生後6カ月は、大きな声を発したり、視力が備わったりと外界とのコミュニケーションがとれるようになる時期であり、また、親を認識し始め、遊びも少しずつできるようになる時期でもある2)。また、子供の運動の発達のメルクマークとして、寝がえり、ハイハイ、二足歩行の3つが主に挙げられるが、この6カ月は、この中の寝返りができるようになる率が高くなる時期でもある。すなわち、子供にとって6カ月とは、認知・運動ともに動物的な様相を抜け出し、より人間的な様相へと呈する時期である。そのため、「いないいない...ばぁ」は、単純な遊びではあるが、そこには、親ないし人間を認識し始める子供と、その反応の様子を人間的であるとする親ないし人間との駆け引きが存在していることが分かる。しかしながら、なぜ目や顔を覆うのか、そこには、人が顔を認識するある法則があるからである。
 ここで一枚の写真を見て頂きたい。それを図1に示す。この写真は、顔ではない。家である。しかしながら、多くの人がこれを顔と認識してしまうに違いない。このように目と口のように3点の物体の配置があれば、人はこれを顔と認識してしまうのである。さらに、図2に「いないいない...ばぁ」をよく表現している写真を示す。単なる乾燥機の写真ではあるが、まさに「...ばぁ」の状態である。このような顔ではないのに顔と認識してしまう現象を、シュミラクラ現象5)と言い、人に備わっている顔認識システムと言われている。
 ネット上でも、顔の画像がある記事には反応しやすい。これはある意味、ネット上の「いないいない...ばぁ」でもあり、その画像をついクリックしてしまうのは、案外「いないいない...ばぁ」を喜ぶ子供と同じかもしれない。

web (196)

図1 家の顔


cached

図2 乾燥機の顔4)

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/いないいないばあ (閲覧2016.2.14)
2) https://akachanikuji.com/6months (閲覧2016.2.14)
3) http://blog.jnavi.jp/akacyannegaeri-4225 (閲覧2016.2.14)
4) http://forums.france2.fr/france2/Que-le-meilleur-gagne/alphabet-sujet_36_13.htm (閲覧2016.2.14)
5) https://ja.wikipedia.org/wiki/シミュラクラ現象 (閲覧2016.2.14)


From ここから。© 2015 This is 地底たる謎の研究室 version。