地底たる謎の研究室

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重力波の観測論文に見る著者数の衝撃



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:重力波の観測論文に見る著者数の衝撃
報告者:トシ

 2016年2月12日に、物理界にとって非常に重要な論文が発表された。重力波の観測に成功した論文である1)。なお、本論文はダウンロードすることも可能である。その際は文献2)を参照されたい。その重力波の存在は、アルベルト・アインシュタインによって予想され、今回はそれが直接観測されたという論文になる。すなわち、直接の計測上でも、アインシュタインの予想が証明されたということに他ならない。その詳しい内容については、文献3-5)に譲るが、簡単に言えば、2個のブラックホールが衝突・合体した時に予想された波形を観測した6)、という結果である。ここで、専門の物理学者にすれば、それは違うだろ、と言われることも覚悟すると、水辺に距離を狭めて落とした2つの石の波紋から起きる変化と同じようなものを、宇宙的規模で計測できた、となるのであろうか。この例えがあっているか否かは別として、本論文がこれ以後の重力波の研究において、必ずや引用されることは間違いない。それ以上に、本論文で衝撃を受けたのは、その著者の数である。3ページに渡って記述され、過去の論文、あるいは、科学界すべての論文においても、最も著者数が多い論文ではなかろうか。そこで、本記事ではこの数を数えるべく、著者数のカウントを実施した。下にその図を示す。

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図 重力波の論文1)に見る著者数のカウント

横軸がカウントした行、縦軸がカウントした行に対応する著者数である。行は126行あり、著者数は合計すると1011人であった。また、行ごとの平均人数は8.024人であった。さらに、著者数の後に記述されているそれぞれの著者が勤務・所属する施設数をカウントすると、137施設もあった。このようにして本論文を眺めると、重力波を計測することが如何に大変なことかも、如実に分かる論文である。

1) Abott, BP et al.: Observation of Gravitational Waves from a Binary Black Hole Merger. Phys Rev Lett 116: 061102, 2016.
2) http://journals.aps.org/prl/pdf/10.1103/PhysRevLett.116.061102 (閲覧2016.2.24)
3) https://www.ligo.caltech.edu/news/ligo20160211 (閲覧2016.2.24)
4) http://www.bbc.com/news/science-environment-35524440 (閲覧2016.2.24)
5) http://gigazine.net/news/20160212-ligo-detect-gravitational-wave/ (閲覧2016.2.24)
6) http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46100 (閲覧2016.2.24)

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