地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

筆が走り、キーボードが走る。そして目が回る



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:筆が走り、キーボードが走る。そして目が回る
報告者:ナンカイン

 ヒトの頭の中は、謎だらけである。しかしながら、現在は、CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(核磁気共鳴画像法)、あるいは、NIRS(近赤外線スペクトロスコピィ)などといった様々な脳画像法が開発されたため1)、脳の状態も把握しやすくなった。主要な精神疾患である統合失調症も、脳形態と脳機能の関連性を可視化することができるようになり1)、かつてのように心の病と言われることはなくなりつつある。
 一方、医療技術の発展によって脳形態や脳機能の理解は進んだものの、自分とは一体何であろう? という哲学的な問題は、未だ解決されていない(この記事も参照)。地球圏外はアウタースペースとしてその謎を秘めているが、脳はインナースペースとして依然謎を秘めている。宇宙との連続性は脳にもあり、結局は宇宙の存在が解明できない限りは、ヒトの脳を完全に計算することはできないのかもしれない(この記事も参照)。

脳は誰が創ったのか?

火星人?(この記事も参照)、それとも、宿命を支配するゲーマー?(この記事も参照)。結局は誰にも回答できない。ヒトはシミュレーション空間で生かされている「シミュレーション仮説」2)も提唱されるぐらいである。
 進化の賜物でもあるヒトの脳ではあるが、進化生物学の大家であるリチャード・ドーキンス博士曰く、「ここに生きているのは驚くほどラッキーなことだ」にあやかり3)、

ここで考えているのは驚くほどラッキーなこと

に違いない。
 かつては、文章を書く際に、ある次元を超えると筆が走ると揶揄され、歴代の偉大な作家や漫画家も、自然と手が動くという言葉を多く残している。その時の頭の中は、ビックバン状態であろうか。現在では、筆で文章を書くことは少なくなり、ほとんどがディスプレイに向かい、カタカタとキーボードを打つことが多くなった。そのため、筆が走るというよりも、キーボードが走ると言えば、現代的になるのかもしれない。あるいは、スタイラスペンが走るともなるであろうか。たぶん、筆が走る・キーボードが走る、ことができるヒトは、寝食を忘れてそれに没頭できるのであろう。幸い(?)なことに、筆者は、筆が走る・キーボードが走る、経験はない。文章を確認しているうちに、だんだんと目が回る。頭の中には文章でなく、bon appetitな図が浮かぶ。これを読まれた方は、一体どちらに属するか知りたいものである。

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図 おいしそうなバーガー4)

1) 嶋田貴充: 統合失調症患者におけるMRIとNIRSによる脳形態と脳機能の研究. 金医大誌 39: 1-9, 2014.
2) http://gigazine.net/news/20160413-live-in-computer-simulation/ (閲覧2016.4.13)
3) ドーキンス, リチャード: 進化とは何か ドーキンス博士の特別講義. 早川書房. 2014.
4) http://www.bonappetit.com/recipe/veggie-burger-2 (閲覧2016.4.13)

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