写真が持つ実在性について



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題名:写真が持つ実在性について
報告者:アダム&ナッシュ

 絵画と写真の違いについては、この記事で報告したように、絵画はプラスの技術、写真はマイナスの技術を必要とする。それは、像を得る技術的な過程でもって明らかではあるが、絵画は写実派や印象派などの方法の違いはあれども、今もって描くための技術の習得には、それなりの時間を要する。一見して、容易に描かれた絵画であると判断されようとも、それを描いた作者の意図は、真意に理解できない。そこに絵画の奥深さがある。一方で、写真であれば、その技術はカメラなどの機器的な進歩に委ねやすいために、所謂絵画とは異なり、ある一定のレベルにまで技術力を達成させることも不可能ではない。そのことが、写真が芸術であるか否かの論争を常に引き起こす。筆者は、少なくとも脳と言うフィルターを介したことで、絵画は芸術として見なし得るが、写真における芸術と記録の違いについては、絵画よりも判断しにくい(この記事も参照)。
 しかし、である。脳と言うフィルターを介した絵画は、実は描く人の心理によって影響しやすいのも事実である。すなわち、描いた人の心理が元となって絵画が完成されるために、その絵画には、写実と言えども場合によっては現実(リアル)とは異なる要素も多く、観る側の意見として納得しがたいことも時にはある。仮に、その絵画の作者が、この作品は現実(リアル)を忠実に描きました、と言えども、そこには作者なりの被写体の見識があり、その作者の思惑を完全に理解することは、作者以外はできない。さらに、観る側に作者と同じ技量がないことも、絵画の解釈に影響を及ぼす。その反対で、写真であれば、レタッチなどの方法が過剰でなければ、実はその写真は忠実に被写体を表しているであろうことが予想しやすい。絵画よりも被写体を映す技術的なハードルが機器に任せられるからでもある。そのため、写るその人なりを、その写真から一見しやすい。そこに、絵画と写真の違い(住み分け)がある。この観点で考えると、絵画よりも、写真には被写体を忠実に描き切るアドバンテージがある。
 デジタルの技術が発達した現在では、画像のレタッチのレベルを判断することも難しい。それは、先に述べた写真の被写体を忠実に描き切るアドバンテージを見極める難しさでもある。しかしながら、商業的な画像でない限り、過剰なレタッチは少ないに違いない。すなわち、より自然な環境下での撮影の画像であると予想されれば、限りなくレタッチはなく、被写体を忠実に反映している可能性が高い。そのような写真は、被写体が目の前にいるような実在性が高く感じられ、かつ、時に観る側も現実(リアル)に魅了される。
 どのような写真が、観る側を魅了するか。それについては、ネット上などの様々な媒体におけるポートレイト写真を観る人に任せたい。しかしながら、よいポートレイト写真の多くは、写真から受ける雰囲気もよく、二度見してしまうことも多いのも事実である。それだけ、その写真、あるいは、その写真に写っている被写体に現実(リアル)に魅了されているからに違いない。図はモデルのYuli Rubinskyさんの写真であるが、とてもよい雰囲気に写っている。

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図 Yuli Rubinskyさんの写真1)

1) https://wall.alphacoders.com/big.php?i=424898 (閲覧2016.4.29)

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