地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

吸血鬼と狼男



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:吸血鬼と狼男
報告者:トシ

 吸血鬼と狼男は、西洋の代表的なモンスターである。これにフランケンシュタインを加えて、西洋の3大モンスターと称することも多い。吸血鬼は中でもドラキュラが有名であり、もともとルーマニアに存在していたドラキュラ伯爵がモデルとなっている。しかしながら、ドラキュラ伯爵の生涯は意見が分かれ、ルーマニアでは祖国を守った英雄とされている1)。吸血鬼ドラキュラとして悪な高きイメージがついたのは、ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」2)からになるであろう。この小説を機にドラキュラ伯爵は血を吸うことで有名になり、陽の光にあたると死ぬことから夜に活動し、さら十字架を恐れるイメージもここでついた。一方で、狼男は実在するモデルとなった人物はいない。むろん狼男男爵なる人物もいない。古から日本における狐憑きと同じくして、西洋では狼憑き3)として次第に人々の間に恐れられる存在として伝承したようである。ただし、近年の狼男のイメージは、ジョー・ダンテ監督による「ハウリング」やジョン・ランディス監督による「狼男アメリカン」によるところが大きい。CGがなかったその公開当時、満月の夜にて変身する狼男の特殊効果に注目が集まり、その辺を機に狼男も世間ではスタンダードとなったといえる。なお、そこで特殊効果を担当したリック・ベイカーとロブ・ボッティンは今ではアメリカのメークアップアーチストの重鎮でもある。
 このようにして、吸血鬼と狼男は闇に潜む存在として、人々の心に浸透している。そのため、これを題材として数多くの映画が存在する。昔は吸血鬼、もしくは狼男単体の登場がほとんどであったが、近年は両者が一同に登場するような映画も増えてきた。その代表の一つとして、「アンダーワールド」が挙げられるであろう。アンダーワールドという題名から、すでに闇への序章となっている。2003年に制作のアメリカの映画であり、監督はレン・ワイズマンである。主演はケイト・ベッキンセイルで、Youtube4)にも雑誌Esquireが提供する彼女の動画があるが、とても美しい女優さんである。図にアンダーワールドでの彼女の姿を示す。この図から、彼女は…側の役割であることが分かる。このアンダーワールドは、吸血鬼一族と狼男一族の間に何百年にもわたって続く戦いを描いており、モンスター好きにはこの大筋を知っただけでも、触手が伸びる。しかしながら、アンダーワールドはPG-12であるために、12歳未満の人が見る場合は、保護者の助言や指導が必要とされる。ただし、ジャンル的にはホラー映画ではなく、アクション映画として括られている。

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図 映画「アンダーワールド」から5)

 実は、この映画の主演であるケイト・ベッキンセイルは、この作品が縁となってレン・ワイズマン監督と結婚した。そのためであろうか。映画は、レン・ワイズマン監督の意図することと、女優のケイト・ベッキンセイルが意図することが一致しており、観る者を圧倒するようなパワフルな作品となった。そのため、上映時間の121分終始に渡って世間の裏に潜むアンダーなワールドがこれでもかとばかりに展開されている。

1) ストイチェスク, ニコラエ: ドラキュラ伯爵. 中央公論新社. 2002.
2) ストーカー, ブラム: 吸血鬼ドラキュラ. 東京創元社. 1971.
3) https://ja.wikipedia.org/wiki/狼男 (閲覧2015.11.30)
4) https://www.youtube.com/watch?v=-NU_egHKgyw (閲覧2015.11.30)
5) http://www.gorestruly.com/wp-content/uploads/2015/06/underworld-5.jpeg (閲覧2015.11.30)

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