地底たる謎の研究室

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人類初の月面レストランのメニューを考える



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:人類初の月面レストランのメニューを考える
報告者:ナンカイン

 近年の宇宙開発の競争に関しては、この記事に示されているが、ここでは、宇宙船などの宇宙開発の次に必要とされる宇宙基地でのレストランについてあえて考えたい。
 宇宙基地の中でも、すでに人類が降り立った月面にはそう遠くない未来に、南極基地の如く、月面基地が設立され、その基地内には高級な月面レストラン(Exclusive restaurant of the Moon)が出来るであろう。それが、火星よりも先の宇宙旅行の第一計画となる。ここで、通常の地球上の旅行を考えてもらいたい。地球上の旅行でも目的地までの交通機関と、そこでの食事、場合によっては宿泊することが必要最小限となる。あとの残りは、観光である。宇宙旅行での交通機関は、宇宙船になる。しかしながら、食事は持ち込み、あるいは、宇宙食とはいかない。旅行の食事の醍醐味はやはりご当地のグルメを食することに他ならない。人類は火を発見してから美食家への道を歩んだため1)、月面レストランでも美食家たる要求として、地産地消を掲げることになるであろう。それでは、月面での地産地消は何が可能かについて次に考えたい。
 食材の発達には水が欠かせない。植物しかり動物しかりである。そこでまず月面には水があるかを調べると、NASAの報告によれば、月面の極に相当する位置(図)には水(氷)の存在の可能性が示唆されている2)。そこでは水素が検出され、総推定量60億トンの氷の存在が明らかとなり、それは人類の4万人が、100年間暮らせる量とされる2), 3)。このことから、月面での水は確保できる。次に栽培する植物を考えると、真っ先に想定されるのが、ジャガイモである。この記事でも示されているが、ジャガイモは宇宙で栽培される筆頭野菜である。しかしながら、野菜以外の動物性のタンパク質である肉類は確保が難しい。人類が美食家として歩んだ歴史は、まず狩猟による採取から、栽培による生産に至るが1)、月面には今の時点では動物はおろか植物もない。



図 月面の水の存在2)

そのため、月面での狩猟生活は不可能に近い。そのため、まず栽培がありきで、月面で育ったジャガイモを食べる動物を考えると、タヌキやイノシシになるであろうか4)。しかしながら、どちらも食べる量が多いことが予想され、月は地球の重力の1/6となるために、動物としても運動できないことには生育がよくない。そこで、重力の影響が少ないであろう小動物に白羽の矢があたるが、ジャガイモを食べる小動物はやはりネズミになるかもしれない4)。ネズミであれば、回し車で常時運動も可能である。以上のことから、月面レストランでのオープンに伴う地産地消の食材は、水、ジャガイモ、ネズミとなる。そこで、これらから月面レストランのメニューを考えると、

ネズミ肉のステーキ。付け合わせとしてマッシュドポテトか、ベイクドポテト。飲み物は月面水。

が初メニューとして想定された。ただし、筆者の意見として、ネズミ肉には若干の抵抗がある。

1) フェルナンデス=アルメスト, F.: 食べる人類誌. 早川書房. 2010.
2) https://www.nasa.gov/multimedia/imagegallery/image_feature_1478.html (閲覧2016.12.26)
3) http://moonstation.jp/faq-items/f608 (閲覧2016.12.26)
4) http://oshiete1.nifty.com/qa8974357.html (閲覧2016.12.26)

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