北欧デザインと禅にも通じる茶のデザイン(心)の共有点



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題名:北欧デザインと禅にも通じる茶のデザイン(心)の共有点
報告者:エゲンスキー

 北欧のデザインというとどのようなものを浮かべるであろうか。もっとも有名なものに世界最大の家具量販店のひとつである、スウェーデン発祥のIKEAを思い浮かべる人も多いに違いない。そのIKEAの多くの家具にあるように、北欧デザインはシンプルであることを特徴とする。デンマークに居を構えるデザインスタジオNorm Architectsの創始者のひとりであるJonas Bjerre-Poulsen氏は、この北欧デザインの特徴を端的に示している。

「飾り気のないシンプルなものが最も印象的で魅力的なものである。我々は、ナチュラルであるだけでなく、静けさや落ち着きを表現する純粋な幾何学像をみせることを目指している。」1)を一部改変

キーワードはミニマリズムである。ミニマリズムとは、無意味なものをそぎ落とし、重要なものを強調することを意味している1)。例えば、Jonas Bjerre-Poulsen氏による作例を図に示す。これを見れば一目瞭然であるが、国は違い、アプローチは違えども、なぜかピンと来るものがある。これは北欧における一種の茶の湯的なアプローチではないか、と。すなわち、千利休で完成した日本の茶の湯のアプローチと同じニュアンスが、ここに存在している。茶の湯思想の大家として名高い岡倉天心曰く、禅にも通じる茶のデザイン(心)は、

「真の美はただ「不完全」を心の中に完成する人によってのみ見いだされる。」2)



図 Jonas Bjerre-Poulsen氏による作例1)

とし、これは禅の教えにもある、「不立文字教外別伝」と同様に、「真の教えは文字には出来ず、言葉の外にあり、教えならば沈黙、空間なら余白にあたる部分」のことを意味する3)。Jonas Bjerre-Poulsen氏による作例はまさにそれであり、余白も多く、何をデザインしたのかが理解しにくいものの、心を落ち着けて、その静けさに身を置くと、まさに純粋な幾何学像が浮かび上がる。これによってデザインは理解するものでなく、全ての調和によって完成することにふと気づく。
 デザインとは、社会の多くの人々と共有できる問題を発見し、それを解決していくプロセスにその本質がある4)。Jonas Bjerre-Poulsen氏の作例によって得られたデザインでの気づきの本質は、北欧だけでなく、禅にも通じる茶のデザイン(心)としても、人の芯に触れる共有のものが感じられる。

1) https://www.phaseone.com/JA-JP/Jonas-Bjerre-Poulsen-Minimalism (閲覧2017.3.23)
2) 岡倉天心(著), 村岡博(訳): 茶の本. 岩波書店. 1961.
3) Discover Japan編集部: 現代に活きる禅の力. エイ出版社. 2015.
4) 原研哉: デザインのデザイン. 岩波書店. 2003.

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