地底たる謎の研究室

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人物画像におけるデカダンス的な要素の探索



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:人物画像におけるデカダンス的な要素の探索
報告者:アダム&ナッシュ

 本記事は、この記事の続きです。

 先の記事でデカダンスという言葉について検討した。ここでは、人物画像からデカダンス的な要素を探り、どのような要素がデカダンスとして印象をもたらすのかについて検討したい。
 方法として人物画像を選出する際に、極端にエロティックなもの、あるいは、グロテスクなものは当ブログの考察の対象範囲外となるために、それらは除外することとした。ここでデカダンスとGoogleにて検索すると、文献1)が筆頭に挙がる。そこでの説明にある画家フェリシアン・ロップスのエポルノクラートを参考に、これにやや類似する近年の写真における人物画像から検討した。
 図1にカナダの写真家であるKristamas Klousch氏の作例、図2にドイツの写真家であるHolger Nitschke氏の作例を示す。いずれの作品も見た感じの印象からデカダンス的であると感じる。ちなみに、Kristamas Klousch氏の別の作品がDavid Sylvian氏の2010年のアルバム「Sleepwalkers」のジャケットにも使用されているので、Kristamas Klousch氏をご存知の方も多いかと思われるが、全てセルフポートレイトで構成される。両氏のその他の作品(文献4), 5))も交え、デカダンスの印象がどの要素からもたらされるのかについて検討すると、

①色調の淡い部分がある
②全体的にはダークである
③アイテムの質感に棘がある
④ブレや動きを生かす
⑤目の部分を隠す

などになるであろうか。画家フェリシアン・ロップスのエポルノクラートも上の①、③、⑤は当てはまる傾向がある。また、この記事の映画「愛の嵐」でも、①、②、③、⑤が見てとれる。それらの要素の中でも、特徴的な要素は⑤にあるようで、Holger Nitschke氏の作品でも見られるとともに、Kristamas Klousch氏は図1だけでなく、要素⑤の用い方に天賦の才を感じずにはいられない。



図1 Kristamas Klousch氏の作例2)



図2  Holger Nitschke氏の作例3)

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/デカダンス (閲覧2017.6.9)
2) http://www.bleaq.com/2013/kristamas-klousch (閲覧2017.6.9)
3) http://lichtreize.deviantart.com/art/rooms-669338787 (閲覧2017.6.9)
4) https://www.flickr.com/photos/kristamasklousch/ (閲覧2017.6.9)
5) https://500px.com/lichtreize (閲覧2017.6.9)

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