地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

わたしは僕に交換された。

題名:わたしは僕に交換された。報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 僕は空港に向かう前に、スマホのYouTubeで日本でのSIMの最後の曲を聞いていた。それはピアニスト、ヤーヌシュ・オレイニチャクによるショパンの「Nocturne in C-Sharp Minor…

ヂャケットの

題名:ヂャケットの報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 時折、こう思う。それは、ここまで来たのは、僕でもなくわたしでもなく、いったい僕わたしは誰なんだろうか。言うなれば、先の「農協牛乳だった。」という括りで誰が喜ぶのだろうか。 タ…

農協牛乳だった。

題名:農協牛乳だった。報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 僕が深い眠りの中に落ちていた時、それはDeep睡眠であったが、電流スピナーはまったく揺れることなく、睡眠を妨げることなく、巡行していた。りどるもオート運転でもって見事な鼻ち…

深い眠りの中に

題名:深い眠りの中に報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 僕はスマホの内部から外部のわたしに向かって手力を発揮した。それは、間違いなく僕はMr.マリックしたとも言える状態だった。ただ果たして、この程度の手力が、そもそも手力があるのか…

僕はMr.マリックした

題名:僕はMr.マリックした報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 13という数字は機械的強制終了と同じくして、12から13へと移り変わる世相にて候。すなわち、テン、イレッブン、ツウェルブときて、さーてぃーーんとなる。それはまるでアイスクリ…

機械的強制終了

題名:機械的強制終了報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 りどるが述べる僕の脱出へのスマホの状態を聞きつつも、僕は、何故か、赤からうどんに目を凝らしていた。りどるがちゅるちゅるとノンフライ麺をうまそうに啜っていたからだろうか、い…

ちゅるちゅるとノンフライ麺

題名:ちゅるちゅるとノンフライ麺報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 答えてくれよと嘆願しても、りどるはカラオケで陽気に歌っていた。「にきょくめ、いくなにゃ~ん」とリモコンを操作して、今度はA Sky Full Of Starsを歌い始めた。そして…

ラビが呼んでいる

題名:ラビが呼んでいる報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 これからの道しるべになると言われても、僕にはどうしていいのか分からなかった。秘密倶楽部にゃんこたろう?のディスプレイにはスマホ外部の様子が映し出され、別荘にひきこもるわ…

これからの道しるべになる

題名:これからの道しるべになる報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 (にゃおーん、ありのままの~すがたみせるのよ~) 何度も何度も連呼して頭の中に唄が響き始めた。そうだ、きっとリトルは、すがたみせるのよ~と蘇ってくるに違いない。ぼ…

すがたみせるのよ~と蘇ってくる

題名:すがたみせるのよ~と蘇ってくる報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 その日から僕はアパートの部屋でひきこもるようになり、どこにも行かず時間をやり過ごした。祖母が亡くなった心の穴を埋めるように、新天地での僕にとって雪の女王で…