地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

リリアーナ・カヴァーニ

題名:リリアーナ・カヴァーニ報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。沙耶:「ねぇ、平十郎くん」平十郎:「うん?」沙耶:「もしここに海の女神が、それは平十郎くんの理想の人だとして、その人が現れたら、平十郎くんは私とその女神とどっちを選…

とてつもなく

題名:とてつもなく報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 沙耶の「気持ちいい?」という問いかけに僕はごく自然に頷いた。 僕はそれほど経験が豊富なわけではない。それでも、沙耶の相手を思いやるようなその動かし方は、沙耶の性格を的確に表し…

愛の記憶の供養

題名:愛の記憶の供養報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。忘れてはいけない、田宮平十郎の愛の記憶。そんなもんには興味ねー…。まぁ、そんなことおっしゃらずに聞いてくださいませ。一庶民の歴史など、そんなもんです。そんなこともじゅうじゅ…

今も“それが”刻まれておる

題名:今も“それが”刻まれておる報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。沙耶:「ふ~ん、何度も映像で、私を見ながらしたんだ。で、1回だけ?」平十郎:「何回も…」沙耶:「そっかぁ、何回も…。私のどこが魅力的?」 僕は沙耶の目を見つめながら、…

何度も映像で

題名:何度も映像で報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 そのあばら家と同じく、小型木造船はすでに何年も船として使われていないのは見て明らかだった。船底を止めている木材も古びて、僕と沙耶が体を動かすごとにがりがりと削れる音がした。 …

小型木造船の中

題名:小型木造船の中報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 すべての撮影を終え、結局は海辺から何も現れなかった。しかし、海辺からの女神は、あくまでも言い伝えなので現れることも期待していなかったが、本当に何もなく、あばら家での撮影の…

ビールの黄金水

題名:ビールの黄金水報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 夏目はある意味、すでにプロフェッショナルだった。沙耶の事を一女優として見ている冷静な視点が常にあった。でも、僕は段々と沙耶に撮影の枠を超え、魅かれている。もうすでにどうし…

欲しくて

題名:欲しくて報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 3人はずぶぬれの状態であばら小屋に入る。小屋にはもちろん電灯はない。ただ、近くの街路灯のおかげで、小屋の中もわずかに光が洩れている。ただし、真夏だが、秋に幾分近いこの時期に濡れ…

胸が露わになる

題名:胸が露わになる報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 そのシーンの脚本は確かこうだった。シーン103:うわさに聞いていた海から上陸する謎の女神を追うために、僕たちはうわさされているその海辺のあばら家で一夜を過ごす決心をする。3人…

沙耶の舌音

題名:沙耶の舌音報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 「なぁ、お兄ちゃん。チャカとだんびらどっちが強いと思う?」に気を取られて、撮影に際して課したルール、”ルール1:必要以上に撮影しろ”、“ルール2:消去するな”、の元ネタを大きく勘違…

ASMR:Autonomous Sensory Meridian Response:自律感覚絶頂反応

題名:ASMR:Autonomous Sensory Meridian Response:自律感覚絶頂反応報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 タラッタラッタラッタウッサギーのダンス、そしてその前の「なぁ、お兄ちゃん。チャカとだんびらどっちが強いと思う?」。これの元映…

タラッタラッタラッタウッサギーのダンス

題名:タラッタラッタラッタウッサギーのダンス報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 脚本や筋書きの全てを牛耳っている夏目を中心として、彼がほぼ映画監督状態で僕たちの映画の撮影が始まった。タイミングよくこの時期にHDV規格が制定され、多…

次元が違う何かが

題名:次元が違う何かが報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 そうして、なんやこの展開と思いつつも、最後まで見終えた映画「デイライツ・エンド」について、僕は3つのことが頭に浮かんだ。1. ここまでたどり着くだけでも、「デイライツ・エ…

なんやこの展開

題名:なんやこの展開報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 そしてトムの妻、ケイティの回想シーン(笑)。 なんかどれもこれも詰めが甘いで―。これって。も―、完全に雰囲気重視の作りや。でも、その雰囲気はわるくねーけんども。 今夫婦っが、…

アルファってリーダー

題名:アルファってリーダー報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 なかなか難儀だった。映画を見ながら執筆することはなかなか難儀やった。一旦停止、再生、一旦停止、再生を凝り返して、感染症らしいことが判明した。そして、やっぱランス・ヘ…

ランス・ヘリクセン

題名:ランス・ヘリクセン報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 そのレビューでそれで萎える前に、「デイライツ・エンド」を見ながら実況中継をしてみたい。 でも、まあ、たぶん「マッドマックス」っぽいんだろうな。今の時代に昔の1979年のマッ…

そのレビューでそれで萎える

題名:そのレビューでそれで萎える報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 娘の泣き声がする台所に向かうと、妻の舞衣子が「ごめんなさい、料理中にちなみが…」といって娘のちなみの指先に少し血がにじんでいたのが見えた。妻は「少しだけだったか…

誰得なんだろうか、このストーリーは

題名:誰得なんだろうか、このストーリーは報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 あの当時の有り余るばかりの性欲は何だったんだろうか。妻が、当時付き合ってた妻が淡泊なこともあったのかもしれないが、肉欲に任せて僕もセフレの彼女も不満を…

バレちゃうとやっぱまずい。

題名:バレちゃうとやっぱまずい。報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 なんだか懐かしいな。「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」か…。 これを生粋のビートルズファンだった父さんから幼い頃に見させられたことで、映画に目覚めたんだっ…

生粋のビートルズファン

題名:生粋のビートルズファン報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 そんなこんなで未知なる道を進むことにした。これは僕、「田宮平十郎の歴史」を記すいい機会にもなる。 ちなみに僕は1982年10月11日生まれだから、39歳を迎えようとする今はま…

危機が始まっている

題名:危機が始まっている報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 大鉈を振り切ったところで、カルロス・タミヤ・アル・ロドリゲスのストーリーなんぞ執筆することはできない。ことに気づいた。Beginnings of The New Worldだと…。なんでこんなも…

Beginnings of The New World

題名:Beginnings of The New World報告者:ダレナン あれから16年経った。月日が経つのは早いものだ。 俺の名はカルロス。カルロス・タミヤ・アル・ロドリゲス。 名のタミヤは古いルーツを辿れば、田宮とも書ける。その名の通り、俺は日系人で、祖父は日本…

「あーぁほーかい、ほーかい」なる葬送曲

題名:「あーぁほーかい、ほーかい」なる葬送曲報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 今日、妻との面会を終えた。来週に退院することとなり、僕の心はまるで新しい建築物が生まれた街のようにきらびやかしていた。しかし、その夜に、新しい建築…

結局は自分が満足しても、誰かれも読む人が満足できなければ、その物語に存在的な意味が生まれないのだ。

題名:結局は自分が満足しても、誰かれも読む人が満足できなければ、その物語に存在的な意味が生まれないのだ。報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 翌日、北医師から妻との面談の日程について教えられた。僕はその日で結構ですと答えつつ、「…

わびさびの世界

題名:わびさびの世界報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 そうして僕はいくつかの試練を乗り越え、精神的な自由を与えられ、ディスカバリーチャンネルの「全裸サバイバル」のほぼ全てを見終えた。 たぶん全てだ。楽しかったのにXLを覗いてOne …

「よろしくお願いします」

題名:「よろしくお願いします」報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 その後、何回かの診断の都度に花見医師は僕に「私も…治したいものだ」と告げていた。それは何を意味しているかはわからなかったが、僕には花見医師は何かを抱えていたように…

僕の頭の中はクリアーに

題名:僕の頭の中はクリアーに報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 ここ数回の電気けいれん療法によって、僕は幾分以前に比べて随分と変化してきているのが分かった。思考能力もまともになり、入院前に迷惑をかけた妻の美幸のことも心配できる…

私はいつ治るのだろうか。

題名:私はいつ治るのだろうか。報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 本当はええ執筆したいんやけんど、どうもな。才能がな。無いんやで。才能は努力する時間によってうんぬんなんてこった、うそやで。 みんなその手の本に騙されんどいてな。 …

僕ちゃんは、今、ディスカバリーチャンネルの「全裸サバイバル」がおもろくて

題名:僕ちゃんは、今、ディスカバリーチャンネルの「全裸サバイバル」がおもろくて報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 なんでもかんでもいい執筆を僕ちゃん心掛けるも、人に感動を与えたいも、もうどうにもならなくなった。 というか、どうに…

Space思想した。Space思想?

題名:Space思想した。Space思想?報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 それから何度となくジェニファーと体を重ねた。体を重ねれば重ねるほど何かが侵食され、そしてそれに僕は喜びを感じていた。侵食されてできたリアス式海岸のように、何か…