地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

Polaroidから受け継がれたInstagramのDNA



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

広告


pocket LINE




題名:Polaroidから受け継がれたInstagramのDNA
報告者:ログ

 本記事は、この記事の続きです。

 現在のスマホの写真関連のアプリで最も有名なのはInstagramになるであろうか。そのInstagramは2010年10月6日にiPhoneアプリとして登場し1)、2016年6月時点での世界のユーザー数は5億人を超え2)、今現在で最も勢いのあるSNSであろうといえるであろう。その勢いの源は、文献1)にもあるように、「どう使って欲しいかではなく、どう使われているか」という視点で写真共有機能のみにフォーカス・ピボットして特化していることに他ならないであろう。すなわち、余分な機能を盛り込まずに、ユーザー側にとっても、扱いやすいアプリであることがよく分かる。また、他のSNSでは文章の記述を要求されることが多く、その文章を考える、あるいは、他の人の文章を理解するといった脳内でのワンクッションが必要であるのに対し、Instagramは写真から受ける直感がメインとなっているだけに、そのワンクッションがあまり必要とされない。よいわるいは別にして、一瞬で状況を判断できる(しやすい)写真という媒体のメリットでもある。
 Instagramを使ったことがある人であれば、その画像の配列のサイズに不思議さを感じる人もいるかもしれない。通常iPhoneで撮影した画像は、例えば、iPhone7であれば、その素子のサイズが5.16 mm x 6.25 mmであることから3)、長方形であるのに対し、Instagramで配列される画像は、すべてが正方形となっている。開くと撮った画像のサイズではあるが、全面の画像配列は正方形である。実は、これには訳がある。ここで、Instagramのβ版の時のアイコンを図に示す。これを見て分かる人はすぐに気付くであろう。そうである。このアイコンはインスタントカメラを模したものである。特にPolaroidのそれであるに違いない。さらに、Polaroidのインスタントカメラの写真のサイズは、この記事にもあるように正方形である。
 Instagramの創始者は、ケビン・シストロムとマイク・クリエガーの二人であるが5)、特にケビン・シストロムはアナログカメラにも造詣が深く6)、この正方形へのこだわりは、PolaroidからのDNAが受け継がれたともいえるであろう。さらに、Instagramの画像による即時性(瞬間を共有する5)) の考え方も、もしかするとインスタントカメラを発明したPolaroidへの敬意かもしれない。

picture-2-184

図 Instagramのβ版のアイコン4)

1) http://techwave.jp/archives/instagram3th.html (閲覧2016.11.4)
2) http://www.gizmodo.jp/2016/06/instagram591.html (閲覧2016.11.4)
3) https://www.dpreview.com/news/3533076696/teardown-reveals-sony-image-sensors-in-iphone-7 (閲覧2016.11.4)
4) http://www.businessinsider.com/the-inside-story-behind-instagrams-original-app-icon-which-was-designed-in-45-minutes-2016-5 (閲覧2016.11.4)
5) http://www.mapion.co.jp/news/itnews/gaiax-30105-all/ (閲覧2016.11.4)
6) http://time-space.kddi.com/special/it_superstar/20150127/index.html (閲覧2016.11.4)

From ここから。© 2015 This is 地底たる謎の研究室 version。