地底たる謎の研究室

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野外博物館という異空間



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:野外博物館という異空間
報告者:トシ

 世界には様々な博物館がある。その中でも屋外にある展示物(その多くは民族的に貴重な建物)を利用して、直接見たり触ったり行ったりを体験しながら学ぶことを主眼とする博物館が、野外博物館と言われる。英語ではOpen Air Museum、あるいは、Outdoor Museumと言われる。そのため、ある土地の一区画にまるまる現代とは違う異空間がそこに存在するのが特徴である。
 世界の名だたる野外博物館の中でも、最も有名なのはスウェーデンのスカンセン野外博物館であろうか1)。ここは野外博物館のパイオニアでもあり、30ヘクタールの土地に、150棟の民家等がある2)。その縮小した図を示すが、この図のやや赤みがかった場所に建物がある。この図から、当地がとても広大なことが分かる。

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図 スカンセン野外博物館のマップ3)

このような土地に足を踏み入れると、面白いことにまるで違う世界に入り込んだような感覚がもたらされる。これはある種、RPGゲームでの体験とよく似ているかもしれない。RPGゲームでは、主役となりモンスターと闘ったり、仲間を作ったりすることもゲームの特徴ではあるが、バーチャルな異空間にまず飛び込めることに非常にわくわくする。野外博物館でも、バーチャルではない実在する異空間に自我もろとも入り浸れることに、とても興奮を覚える人も多いであろう。しかしながら、博物館という学術的な要素が絡むため、エンタテインメント性では今一歩RPGゲームより劣る。それは致し方ないかもしれない。日本の野外博物館の中で有名なのは愛知県犬山市にあるリトルワールド4)だと思うが、そのエンタテインメント性の少なさゆえ、一時は運営の危機もあったようである5)。近年は、様々な趣向でエンタテインメント性も表に出そうと努力している。一方、USJのハリーポッターエリアは、エンタテインメントとして成立しているが、逆の意味で、野外博物館的な要素も多い。この辺のバランス感覚が、今後の野外博物館における運営上のヒントになるかもしれない。
 実在する異空間として、RPGゲームに劣らず、この野外博物館にもっと光が当たればと願う次第である。

1) http://www.skansen.se/sv (閲覧2015.8.18)
2) 杉本尚次: 世界の野外博物館. 学芸出版社. 2000.
3) http://www.skansen.se/sites/default/files/gratiskartan_2012_eng_till_hemsidan.pdf (閲覧2015.8.18)
4) http://www.littleworld.jp/ (閲覧2015.8.18)
5) https://ja.wikipedia.org/wiki/リトルワールド (閲覧2015.8.18)

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