題名:お寿司におけるワサビの大人的な存在意義
報告者:トンカツる
近年、100円で食べられる回転寿司が流行し、お寿司の世間への広がりがよく分かる。広がるのは潜在的な需要があるからであり、潜在的な需要があれば、供給も必要となる。経済的に需要と供給に関しては図のような曲線を描くが、現在の回転寿司屋の増え方は、今のお寿司事情における需要と供給が、図の左側に位置していることをも意味し、需要量と供給量がP1までに到達していない曲線のライン上にあることが予想される。そのため、これからも供給量を増やすべく、回転寿司屋はますます増えるであろう。
美味しいお寿司であるが、お寿司に付きものとしてワサビがある。前述したように回転寿司が増えるに従い、ワサビの需要も増えている可能性もある。しかしながら、ほとんどの子供はワサビが苦手である。そのため、昨今の回転寿司屋ではワサビ抜きで回転しているお寿司がほとんどであり、ワサビが必要な場合は別袋のワサビにて対応しているお店が増えた。
図 需要と供給の曲線1)
ワサビ抜きのお寿司も悪くはないが、大人としてワサビ抜きでは物足りず、さらに、大人としては後付けではなく、ネタとタネの間に仕込まれたワサビがやはりよい感じとなろうことは否めない。そこで、ここでは、お寿司におけるワサビの存在意義を大人的に提言する。
文献2), 3)によれば、ワサビには優れた消臭効果や殺菌効果があり、お寿司にワサビを付けるのは、その効果を期待しているからに他ならない。ワサビは、飛鳥時代や平安時代から日本産の薬味として利用され、江戸時代の握り寿司がきっかけでお寿司+ワサビとなった2)。お寿司にはその形状や発展から見ると、関東を発祥とする握り寿司と関西を発祥とする押し寿司があるが4)、ワサビはもっぱら握り寿司によってもたらされることになる。回転寿司屋では握り寿司が基本となるために、ゆえにワサビも存在意義がある。
取り立ての魚ならばネタの新鮮さには問題ない。しかしながら、握り寿司の文化が方々に広がることで、輸送技術が発展していなかった時代では、ワサビによる消臭効果や殺菌効果には多大な活躍がもたれたことに相違ない。少なくともかつての握り寿司におけるワサビの量は今よりも多かったのかもしれない。
ここで、大人的な提言として、お寿司はやはり、ネタとタネの間に仕込んでもらいたい、としたい。高級なお寿司屋なら当たり前の仕込みであるが、様々な美味しいお寿司を安く食べられる回転寿司屋では、前述したように最近のワサビはもっぱらネタとタネの間にはない。回転寿司屋でもそこは日和見にならずに、ネタとタネの間にワサビを仕込んでもらいたいものである。文献5)にもあるように、本当においしいワサビは、ほんのりとした甘みすら感じるほどで、ただツンツンするだけの安物とは違い美味しいからである。お寿司における究極の薬味がワサビで、ネタとタネの間に薬味のないお寿司は、寿に点のないお司となるのかもしれない。ただし、子供的な提言としては、「ワサビなんかいらない…」となるであろうが..。
1) http://www.imasara-keizai.com/juyo.html (閲覧2017.4.12)
2) http://www.ja-gp-fukuoka.jp/education/akiba-hakase/001/002.html (閲覧2017.4.12)
3) http://yakuminochikara.com/wasabi/ (閲覧2017.4.12)
4) https://ja.wikipedia.org/wiki/寿司 (閲覧2017.4.12)
5) https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1119218921 (閲覧2017.4.12)
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