地底たる謎の研究室

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3:06の静かなる王者のレクイエムにおけるひとつの解釈


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題名:3:06の静かなる王者のレクイエムにおけるひとつの解釈
報告者:ゴンベ

 人は年齢を経るごとに経験は多くなるも、現実に対してはより現実的となり、次第に夢を忘れる。目の前にある現実的な仕事に自らが埋没してしまうことで、かつてあった夢も次第に埋没する。ふと、ある時、埋没した夢を放り起こそうあがいても、夢は土の奥深くに沈み込み、いくら掘っても、いくら掘っても、何も見えてこない。

大人になるとは、そういうことである。

囚われた現実や過ぎ去った時間は、決して元には戻らない。固く閉ざされた空虚の中で、ただ日々が埋没し、やがて終える。それが人生である。しかしながら、自らの王者を夢見たかつての証として、一縷の望みをかけて蝶を静かに羽ばたかせる。その羽ばたきは、やがて大きく成長し、固く閉ざされた空虚をも解き放つかもしれない。例え、今(現実)がレクイエムにあろうとも...。例え、やがて人生が終わろうとも...。

 人によっては解釈が異なるかもしれない。しかしながら、3分06秒(3:06)という短いPVの中で、A Winged Victory For The Sullenのファーストアルバム「A Winged Victory For The Sullen」(図)にも収録されている「Requiem For The Static King Part One」1)のPVは、人の人生における大切な何かを蘇らせてくれる効果があるように感じる。PVのGhostCrossbow氏2)のコメントにもあるが、

When I hear the "I love you"... I don't know why but... I cry.

がしみわたる。
 PVの冒頭にはアメリカの詩人であるWallace Stevensの再晩年の下の詩も引用され、そちらの解釈は文献3)に譲るも、たった3分06秒のPVでも、無常なる人の人生を感じる。

It is an illusion that we were ever alive,
Lived in the houses of mothers, arranged ourselves
By our own motions in a freedom of air.

Even our shadows, their shadows, no longer remain.
The lives these lived in the mind are at an end.
They never were ...



図 A Winged Victory For The Sullen4)

1) https://www.youtube.com/watch?v=F_DaLuqNSJc (閲覧2017.5.19)
2) https://www.youtube.com/user/GhostCrossbow (閲覧2017.5.19)
3) 坂本季詩雄: Wallace Stevensの"The Rock"における無と救済. 愛知工業大学研究報告 30: 13-21, 1995.
4) https://www.amazon.co.jp/Winged-Victory-Sullen/dp/B0057XD7B4/ (閲覧2017.5.19)

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