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目隠しの知覚遮断がもたらした非接触性に伴う精神面への影響


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題名:目隠しの知覚遮断がもたらした非接触性に伴う精神面への影響
報告者:アダム&ナッシュ

 本記事は、基本的にこの記事の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 先の記事にてデカダンス的な要素を人物画像から検討し、5つの要素を列挙することができた。ここでは、それらの要素の中でも特徴的な要素として考えられる目の部分を隠す(目隠し)について、それに伴う知覚遮断が精神的に与えるであろう影響について考えたい。
 目隠しすると失われる知覚として視覚がある。ヒトには視覚の他に、聴覚、嗅覚、味覚、触覚・痛覚や関節感などの体性感覚、内耳の前庭器を中心とする平衡感覚(一部は体性感覚にもよる)などの感覚情報が存在するが、その中でも、視覚は感覚情報の中でも情報としての比重が大きいことが知られている。ヒトに近接の霊長類であるアカゲザルにおいても、視覚に関連した大脳皮質の領域の総面積は大脳新皮質全体の約55%にもなると言われ1)、ヒトを含めた霊長類は進化の過程からも視覚に大きく依存した動物であることは間違いない。一説によると、ヒトの視覚の依存性は入力される情報の83%との意見もある2)。また、ヒトは単純に視覚からの情報を周りの環境情報として利用しているだけではなく、コミュニケーションにおいても大きな役割がある。カナダのマクユーアン大学のMichelle Jarick博士ら3)によれば、ヒトは非ヒト霊長目と比較して、暗い虹彩を取り囲む白い強膜を有することで高コントラストによって相手が何をしているのかを素早く推測し、それによって協調的、または、競争的な非言語コミュニケーションの個人間の関係の形成をもたらしていることを報告している。先にヒトの視覚の依存性が83%であることを述べたが、環境からの情報が、例えば室内であれば安全性が確保されやすいため、視覚からの情報は、環境よりもコミュニケーションの方で利用されやすいことが推測され、83%の内でもかなり高い率となるであろう。そういう室内での状況下であれば、目隠しによって非言語コミュニケーションが遮断され、個人間の関係の形成も絶たれやすいことが予想される。結果として、非言語コミュニケーションの遮断による非接触性が、精神面に不安定な影響を及ぼすことになる。映画「ナインハーフ」でも図のように目隠しの場面があるが、これによって視覚以外の感覚情報に頼らざるを得なくなり、相手からの協調的な関係を不安定な精神でもって運命的に委ねることになる。この委ねる精神面への不安定さが、この記事この記事でも報告したデカダンスの言葉の解釈によるprospective な"致命的"に繋がり、そこは「落ちる」でなく、「落ちるかも



図 「ナインハーフ」の一場面4)

しれない」予兆をもたらすきっかけを与える。

1) http://web2.chubu-gu.ac.jp/web_labo/mikami/brain/index.html (閲覧2017.6.9)
2) https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1174920651 (閲覧2017.6.9)
3) Jarick M and Kingstone A (2015) The duality of gaze: eyes extract and signal social information during sustained cooperative and competitive dyadic gaze. Front. Psychol. 6:1423. doi: 10.3389/fpsyg.2015.01423.
4) https://wn.com/9_1_2_weeks_best_scene (閲覧2017.6.9)

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