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脳内表象の特別なクラスタ化に基づくときめきの実体


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題名:脳内表象の特別なクラスタ化に基づくときめきの実体
報告者:ダレナン

 本記事は、基本的にこの記事の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 先の記事にて、「ときめくのは、たぶんに脳内表象の特別なクラスタ化とも結論づけられるかもしれない。」とし、ときめきの謎に迫ることができた。ここでは、さらに一歩踏み込み、その特別なクラスタ化を洞察するとともに、脳のメモリーとの関連からときめきの実体に迫りたい。
 Alexander Huth博士、西本伸志博士ら1)は、脳の皮質表面を滑らかに写像することによって、連続した空間内の位置における意味表象をカテゴリ分類にて表現した。その結果は、文献1)や文献2)にあるので、詳細はそちらを参照していただきたい。特に、文献2)はGUIにて脳を皮質表面の写像を操作することができ、この研究の骨子がよく理解できる。彼らはこのカテゴリ分類を主成分分析という統計手法にて関連性を示した。それを図に示す。これを見ると、例えば、人(person)はバックパッカー(backpaker)という人の活動と距離が近い上に、身体部位(body part)や顔(face)とも関連が深い。その一方で、車(car)やボート(boat)といった乗り物とは距離があり、動物(animal)ともやや距離感があることが分かる。このようにして、ヒトは脳内で行動やモノをカテゴリ分類し、その関連性をうまくクラスタ化している。
 一方、ときめきは、その前後文脈とも伴い、かつ、場合によっては強烈な体験として脳内に保存されている。ヒトの脳のメモリーに関して、特に長い期間のメモリーにはCREB遺伝子が欠かせないとされ、関連づけて覚える際にCREB濃度が高く活性化されやすいニューロンが割り当てられる3)。このよ



図 意味空間の可視化1)

うなニューロンの働きに関して、テキサス大学オースティン校のNeal Morton博士、Alison R. Preston博士ら4)によれば、海馬および前頭連合野では、関連する記憶は異なる時間および場所で経験された事象でも結びつけられ、その個々のメモリーが統合される程度は、既存の知識に対する空間的、時間的および概念的近接度によって決定される、とされる。海馬および前頭連合野は、この記事でも述べたように、”快楽”でも需要な脳領域であるが、ときめきによって得られたメモリーは、”快楽”もあり、かつ、その”快楽”の強烈なA10神経作用が、概念的近接度を非常に近いものとしているのではないだろうか。すなわち、図で言えば、特別なクラスタ化が、メモリー段階のときめきで成され、ときめきで起こったメモリーのあらゆる関連づけが近接していることが示唆される。そのことから、ときめく人は、特別な人としてすでに特別にクラスタ化されている。

1) Huth A, Nishimoto S, et al.: A Continuous Semantic Space Describes the Representation of Thousands of Object and Action Categories across the Human Brain. Neuron 76: 1210-1224, 2012.
2) http://gallantlab.org/brainviewer/huthetal2012/ (閲覧2017.10.6)
3) シルバ, AJ: 連想を生むニューロン. 日経サイエンス. 11, 28-37, 2017.
4) Morton NW, Sherrill KR, Preston AR: Memory integration constructs maps of space, time, and concepts. Curr Opin Behav Sci 17: 161-168, 2017.

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