地底たる謎の研究室

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雨傘の情景下における人物画像の美的診断



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:雨傘の情景下における人物画像の美的診断
報告者:アダム&ナッシュ

 雨が降ると、水の恵みとなって、地球を潤す。しかしながら、雨模様は人の気分にも作用する。日本の気象学者である福岡義隆博士1)によれば、雨の日、あるいは日が照らない日は、普通の人でも気分が優れず、ましてや季節性感情障害者であれば、うっとうしい曇りがちか、雨の日にはかなり落ち込みやすい状況にあるという。さらに、人の精神状態が、その土地の気候の影響を受けるというのは自明のことともいう。この福岡博士の言葉からも明らかなように、雨は恵みでもあるが、時には人の気分の害にもなる。
 一方、気分を害する雨ではあるが、雨が降ると穏やかになる事例も存在する。野島伸司氏が脚本、佐々木希氏が主演した動画配信サービスhuluでの特別ドラマ「雨が降ると君は優しい」は、まさにその題名が示すが如く、雨と人の気分との関係を好天的(好転的)に扱っている。詳しいあらすじなどは文献2)を参照していただきたいが、ここで大まかなあらすじを示すと、佐々木希氏が演じる妻役の彩がセックス依存症を患っており、なぜだか眩しく晴れた日になると抗えない衝動を覚え、不特定多数の男性と肉体関係を持ってしまう。ただし、夫役の玉山鉄二氏が演じる信夫(のぶちゃん)を心から愛している。そのことがやがて知られてしまい…という内容である。ドラマの最後も雨が大いに関与しているが、ここではあえて示さないことにしたい。いずれにせよ、このドラマも示す通り、雨は人に対してよいもわるいも何らかの影響を及ぼす。
 雨が降ると人は傘をさす。あるいは、合羽を着る。どちらも雨の水滴から体を守ることになるが、傘の場合はそこに2人が入ることで、雨をしのぐ効果だけでなく、特別に親密な空間が生じることは誰もが知っていることでもある。いわゆる相合傘がこれに相当する。ここでは、相合傘の事例の画像を図に示す。テキサスのウェディングフォトグラファーのMorgan Sessions氏による写真3)であるが、見て分かる通り、雨傘の情景にも関わらずの幸せさが傘を通してにじみ出ている。ただし、この画像のよい点は何も画像から感じるそのような当事者の心情心理推測だけではなく、構図的にも優れていることが分かる。そこで、この画像に美しさの基準ともされる、黄金分割、黄金スパイラル、スパイラル分割、Aを導入し、構図の美的な観点からこれを診断すると、両者の頭部の傾きがAと一致し、スパイラル分割の傾きと傘や女性の髪の傾きと一致、黄金スパイラルの収束点が男性の頭部に位置し、女性からの心情が男性の脳理へと収束する様子が診てとれる。このことから、このカップルにおける結果としての黄金スパイラル的な心情心理は、画像に構図的な美しさをもたらすだけでなく、両者の一致した幸せな心情心理をも表現していることが示唆された。



図 Morgan Sessions氏による写真3)

1) 福岡義隆: 気象・季節の感情障害への影響. 地球環境 8:221-228, 2003.
2) http://finedoga.com/magazine/article.php?slug=amefuru (閲覧2017.10.19)
3) https://unsplash.com/@morgansessions (閲覧2017.10.19)

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