地底たる謎の研究室

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動物間における脳重量の比較



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:動物間における脳重量の比較
報告者:ダレナン

 動物には脳がある。もちろんヒトにも脳がある。ヒトの脳の特徴は、前の部分である前頭葉が発達していることにあるが、その前頭葉は、前頭前野と運動野、および、運動前野にさらに分類できる1)。この領域の中でも前頭前野は、思考や創造性を担う領域であり、生きていくための意欲や、情動に基づく記憶、実行機能などを司っている1)。他の動物以上に、ヒトが思考や創造性が発達しているのは、この領域が大いに発達していることに関連している。ただし、ヒトも含めた脳の重量を動物間で比較すると、図のようになる(文献2)のリストを基に筆者が作図。なお、範囲は最大値を採用)。縦軸がヒトを含めた動物名、横軸が脳重量(g)を表す。これを見ると、ヒトの大人(adult human)は1400 gほどになるが、その下にあるマッコウクジラ(sperm whale)は、実に7800 gもある。ただし、ヒトの体重は一般的に重くても100 kgほどであるが、マッコウクジラは50000 kgもある3)。この体重を基に脳重量を体重比で示すと、脳の割合は、ヒトの大人の場合は1.4/100*100=1.4%に対



図 動物間における脳重量2)

して、マッコウクジラの場合は7.8/50000*100=0.015%となり、ヒトの脳が如何に大きいものかが分かるであろうか。ヒトと同じく陸上に住むゾウ(elephant:図の上から3番目)も、比較的頭がよいと言われている動物であるが、ここでゾウの体重を1000 kgとして4)、先と同じく体重比を調べると、4.783/1000*100=0.47%となり、やはりここでもヒトの脳の大きさが突出している。この大きさの突出には、前述した前頭葉が大きく関わる。ちなみに、ヒトの祖先の一種であるジャワ原人(Pithecanthropus Man:図の上から7番目)は、現在のヒトの2/3の体重5)として体重比を求めると、1.0/66.6*100=1.5%となる。実際は、現在のヒトの体重が100 kg以下であり、推定幅を考えると現代のヒトの1.4%あたりに収束するも、それでもジャワ原人の段階で、すでにヒトの脳重量が体重に比較して大きかったことが分かる。



1) http://goodbrains.net/brain/shikumi3.html (閲覧2017.11.14)
2) https://faculty.washington.edu/chudler/facts.html (閲覧2017.11.14)
3) https://ja.wikipedia.org/wiki/マッコウクジラ (閲覧2017.11.14)
4) https://ja.wikipedia.org/wiki/アフリカゾウ (閲覧2017.11.14)
5) Theunissen, LT.: Eugène Dubois and the Ape-Man from Java: The History of the First "Missing Link" and Its Discoverer. Springer. 1989.

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