題名:こんぶとわかめの違い
報告者:トシ
こんぶとわかめはどちらも海藻であり、かつ、店頭でも多く見かける海藻でもある。そのため、こんぶとは、わかめとは、と問われるとそのイメージはつきやすい。しかしながら、その違いは何ですか、と問われると明確には答えることができない。肉厚なのはこんぶで、だしに使うのはこんぶで、水につけてふえるのはわかめで、ぐらいであろうか? そこで、本記事ではこれらの疑問を解決すべく、こんぶとわかめの違いについて調べたい。
文献1)によれば、こんぶとわかめはともに褐藻類に属するも、科が違うとされる。こんぶは、褐藻類コンブ科であり、わかめは褐藻類アイヌワカメ科とされる。文献2)によれば、こんぶは、コンブ目コンブ科、わかめは、コンブ目チガイソ科とされる。これらによると、類と目は同じであり、似通った近縁種であることが分かる。ちなみに、形状に関しては、こんぶは根と茎の先に1枚の大きな葉で出来ているも、わかめは根と長い茎から葉が何本も生えているのが特徴である(図)1)。
一方、だしの代表でもあるこんぶであるが、わかめでは一般的にだしはとらない。そこで、これに関して詳しく調べると、文献4)では主に以下の2点を指摘している。①わかめでだしをとろうとすると、わかめが溶けてしまい、ヌメりや雑味が出てしまう。②こんぶでは、グルタミン酸やアスパラギン酸以外の成分のバランスがよく、だしの味が良い。そのため、実際にわかめでたしをとった実験の報告によると5)、外観、味、糖度の3点で以下の違いがでたようである。①わかめだしは、緑色となる。②だしそのままの味には差はないが、濃縮しただしでは、こんぶだしでは、エグみ・苦味を感じる。③濃縮しただしでは、こんぶだしの方が、糖度が高くなる。このことから、やはりだしにはわかめではなく、こんぶを使うことが有力であろう。
図 こんぶとわかめの形状3)
一般的に、海藻にはリン、亜鉛、カルシウム、ヨードなどのミネラルが豊富に含まれており、またビタミンやたんぱく質も含まれている6)。こんぶとわかめの栄養分もそれらが含まれているが、両者に大差はないようである4)。さらに、海藻には腸内環境を改善する水溶性食物繊維も豊富に含まれていることから、良いこと尽くめである。しかしながら、意外と知らなかった情報として、海藻を消化するための特殊な酵素を持っている細菌が、海藻を習慣的に食べない欧米人にはなく、日本人に特有のものとする研究もあり7)、こんぶとわかめにおける食文化の歴史も感じる。
1) http://www.kobuya.net/konbu/昆布とわかめの違い/ (閲覧2018.1.15)
2) http://daily-info.xyz/archives/4924.html (閲覧2018.1.15)
3) http://www.kobuya.net/wp-content/uploads/2015/04/sho_bu3.gif (閲覧2018.1.15)
4) http://lglink.blog81.fc2.com/blog-entry-315.html (閲覧2018.1.15)
5) http://lglink.blog81.fc2.com/blog-entry-317.html (閲覧2018.1.15)
6) http://hs-oz.com/wd/世界の常識は日本の非常識!?【海藻編】/ (閲覧2018.1.15)
7) https://wired.jp/2010/04/09/日本人の腸だけに存在?:海藻を消化する細菌/ (閲覧2018.1.15)
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