地底たる謎の研究室

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サルデーニャ島の考古遺跡ヌラーゲ、スー・ヌラージ・ディ・バルーミニの構造と目的



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題名:サルデーニャ島の考古遺跡ヌラーゲ、スー・ヌラージ・ディ・バルーミニの構造と目的
報告者:トシ

 イタリア半島の西方で、南地中海に位置するイタリア領の島に、サルデーニャ島がある1)。図1にサルデーニャ島を示す。図1の赤い部分がサルデーニャ島になる。図1を見て予想がつくように、その島はイタリア半島との位置関係と形状から、古代ギリシャ人によってサンダリオン(Sandalyon)と呼ばれていた1)。Sandalyonとは、足に履くあのサンダルの語源でもあり2)、イタリア半島を足とすると、その島は足跡に相当するとして、このように呼ばれていた1)。
 そのサルデーニャ島であるが、この島には先史時代から巨石で作られた建造物が多くある。その名をヌラーゲ(Nuraghi)という。作られた年代は、紀元前2000年より前から、紀元前550年頃までとされる3)。その中でも、表題で示したスー・ヌラージ・ディ・バルーミニ(Su Nuraxi di Barumini: バルーミニ村にあるスー・ヌラージ)は、紀元前1500年頃より建設が開始されたヌラーゲで、1997年にUNESCO世界遺産に登録されたヌラーゲでもある4)。



図1 サルデーニャ島1)

 文献5)によれば、ヌラーゲは、多くは截頭円錐形の塔の形を取る巨石で組み立てられた構造である。造られた塔の内部は通常蜂の巣形であり、外見は中世の塔のよりよく知られたイメージと似る。さらに、その高さは30 mはあったとされ、構造の特徴として驚くべきことに、接着剤などは使用せず、乾石のみで構成される5)。このことから、使用された乾石は、巧妙に加工されて積み重ねられたことが推定できる。先史時代の建造物であることから、今はすでに原型は留めておらず、土台の形跡のみが残っているだけであるが、当時のスー・ヌラージ・ディ・バルーミニは、図2のような構造であったことが予想されている。
 ヌラーゲの目的は、穀物サイロや天井から寺院や要塞に至るまで議論されてきた7)。しかしながら、石器、織機の重さ、炉床、調理船など一部で発見された人工物から、ヌラーゲは家庭として、または主に家庭の活動のために利用されたという結論に至っている7)。



図2 スー・ヌラージ・ディ・バルーミニの予想図6)

その一方で、構造を丹念に調べると、建物の歪みを逃がすための小部屋が造られ、構造上、綿密な計算がされていることも判明している8)。さらに、すべて小高い丘の上に建てられているので、見張り塔や神殿だった可能性も否定できない8)。しかしながら、偶像のような神事に関係したものは一切見つかっていないために、未だ謎の多い建造物である8)。

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/サルデーニャ (閲覧2018.3.13)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/サンダル (閲覧2018.3.13)
3) https://ja.wikipedia.org/wiki/ヌラーゲ (閲覧2018.3.13)
4) https://ja.wikipedia.org/wiki/スー・ヌラージ・ディ・バルーミニ (閲覧2018.3.13)
5) https://smarthistory.org/su-nuraxi/ (閲覧2018.3.13)
6) https://www.4gress.com/sights/entry/100628.html (閲覧2018.3.13)
7) http://www.ancient-origins.net/history-ancient-traditions/mysterious-nuragic-civilization-sardinia-004841? (閲覧2018.3.13)
8) http://www.tbs.co.jp/heritage/feature/2015/201508_01.html (閲覧2018.3.13)

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