地底たる謎の研究室

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毛ガニの生態 -そのⅠ-


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題名:毛ガニの生態 -そのⅠ-
報告者:ナンカイン

 本記事は、基本的にこの記事の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 毛ガニは北海道を中心として採取されるも、近年はその資源が減少気味にあり、漁獲量の規制が行われている1), 2)。そのため、毛ガニの生態を知ることは、毛ガニを食する際の毛ガニの大事さを知るきっかけにもなる。先の記事では毛ガニの食としての歴史に迫るとともに、ひとつの食べ方(飲み方)が例示されたが、ここでは、上記の状況をしかと受け止め、毛ガニの生態に迫ることで、食だけではないその他の毛ガニの知見を増やし、毛ガニの食材としてのありがたみを享受したい。なお、先の記事と同じくして、学術的には”ケガニ”とカタカナ表記するのが慣例であるが、ここは親しみを込めて”毛ガニ”としたい。
 自然界では捕食者と被食者に区分され、人はもはや捕食者としての頂点にある。毛ガニは比較的深い海底に住んでいるために、海洋技術が発達していなかったかつての人々は、毛ガニの存在すら知らなかったのかもしれない。しかしながら、もはや人類は海だけでなく、空からもすべての食材を手にすることができた。現代でも、まだ見ぬ食材もあろうが、カニに関しては、食として有用なカニはほぼ出尽くしたように思われる。毛ガニもその食としての有用なカニの筆頭になろう。
 毛ガニの捕獲については、現在、資源管理対策がなされ、雌の採捕禁止と雄の甲長8cm未満の雄に関しては再放流することが義務付けられている2)。そのため、北海道ではその再放流に伴う生残を期待して、かご漁法を推進している2)。ちなみに、北海道におけ



図1 毛ガニの漁場2)

る毛ガニの生育場所の多くは、その漁場(図1)から推測して、オホーツク海沿岸一帯と太平洋沿岸一帯に広がる2)。生育の底質は、砂、あるいは、砂泥であり、オホーツク海では水深60~130m、太平洋では水深100m以浅に生息する2)。そして、先の各漁場に合わせて、毛ガニの旬の時期が存在する(図2)。
 雄と雌の形態も異なり、雌の方が甲幅が大きく、背甲は円形に近い2)。一方で、雄の甲は縦に長い楕円形となる2)。なお、知られている最大の個体のサイズは、雄が甲長152mm、雌が甲長117mmとなる2)。体重は文献3)の図17を参照すると、最大でも1200g~1300g内に収まり、1000g越えはかなり個体数が少ない。なお、雄の最大



図2 毛ガニの旬4)

の甲長152mmから文献3)の図17に従って、その雄の体重を推定すると、1600~1700gほどに収まる。

1) 佐々木潤: ケガニErimacrus isenbeckii(BRANDT)の配偶行動(予報). 北日本底魚部会報 24: 41-54,1991.
2) 西内修一: ケガニかごの漁獲選択性に関する研究. 北水試研報 64: A365, 2003.
3) 佐々木潤, 他: ケガニの齢期判別法と成長. 北水試研報 55: A289, 1999.
4) https://xn--lck4c.co/?p=357 (閲覧2018.7.9)


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