題名:インターネット上のコンテンツの特徴をまとめる
報告者:ナンカイン
映画などは、画像と音楽が一体となって創り出される時間の流動を感じるコンテンツであり、画像という視覚と音楽という聴覚の両感覚を刺激するコンテンツでもある。ここでは、それを「映像」コンテンツと定義づける。その一方で、写真などの画像のみは一瞬の時間のコンテンツであり、視覚のみの刺激となる。ここでは、それを「画像」コンテンツと定義づける。音楽に関しては時間の流動のあるコンテンツであるが、こちらは、CD、あるいは、画像によるジャケットの表向きは別にして、聴覚のみの刺激となる。ここでは、それを「音楽」コンテンツと定義づける。インターネット上のコンテンツを見渡すと、そのほとんどが、「映像」、「画像」、「音楽」で集約され、言わば視覚と聴覚の刺激が優勢であり、その他の感覚である、触覚、味覚、嗅覚などは直接には刺激されない。食べ物の美味しそうな画像を見ても、そこから感じる味覚、嗅覚は、画像からではないのは当たり前である。触覚もキーボードか、タッチパネル上の感覚からだけである。
表 「映像」、「画像」、「音楽」コンテンツの特徴
これも当たり前ではある。これらの特徴をまとめると表のようになる。これから脳内での処理を考えると、刺激が多く、かつ、時間が流れる「映像」コンテンツは、刺激を統合させ、かつ、流動する時間ごとに処理を行うことから、理解することもそれなりの処理能力を要する。「画像」コンテンツは刺激が少なく、時間も一瞬であることから、瞬時の処理能力で賄える。「音楽」コンテンツは刺激が少ないも、時間は流動性を要する。
ここで、過去の人類の歴史を振り返ると、例えば、壁画などは「画像」コンテンツに類する。そして、その過去において、壁画の前で行われたダンスを含めた音楽的な祭典などがあったならば、それは「映像」コンテンツとなる。壁画なしで行われる、純粋な音楽的な要素だけの祭典であれば、それは「音楽」コンテンツとなる。しかしながら、人類の歴史の証拠として残されているのは、壁画、言わば「画像」コンテンツだけであり、「映像」コンテンツはむろんのこと、「音楽」コンテンツも残されてはいない。記録する手段がなかったからである。そうして考えると、流動的な要素は過去には残せない、残らないことから、「画像」コンテンツのみ人類の中の歴史として、記録、あるいは、記憶(伝承も含めて)される。それ以外は文字であったとしても、それは「画像」コンテンツと同じである。Instagramを始めとして、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でも、「画像」コンテンツを次第に好むのは、過去の人類史でも、現在の人類史でも同じかもしれない。瞬時の処理能力で賄える特権でもあろう。そのため、動画でも長い流動性は好まず、gifのように繰り返し、あるいは、数秒程度の動画が好まれるのも、動く「画像」コンテンツとしての扱いになるのであろう。そのため、Milk And Mocha Kissesのgifも、現代における動く「画像」コンテンツとして、壁画ならぬディスプレイ画として未来に残る。
図 Milk And Mocha Kisses1)
1) https://tenor.com/view/milk-and-mocha-kisses-hugs-gif-12752386 (閲覧2018.12.5)
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