地底たる謎の研究室

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中華街を巡って見れば、文明開化の音がする


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題名:中華街を巡って見れば、文明開化の音がする
報告者:ちょろりん

 たまごの白身がやや固まり、黄身がとろ~りしているものを半熟たまごという。逆に、白身がとろ~りで、黄身がやや固まっているものは一般的には温泉卵という。このように、たまごには白身と黄身という二つの要素が混在し、それらにうまく温度を加えることで、どちららかが固まり、どちらかがとろ~りとなる。ここの記事にもあるように、その理由は、白身と黄身が凝固する温度が異なるためである。白身は約75~78℃で凝固し、黄身は約65~70℃で凝固し、この二つの要素の凝固に関わる温度差が、たまごの料理的にも面白い点でもある。しかも、料理的に面白いだけではなく、味覚的にも美味しいこともたまごの大いなる魅力であることは、ここで言うまでもない。固まるととろ~りの二つの要素をもったたまご料理ならば、その一つの食材で二度味わえる。
 一方、溶きたまごでもって食べる料理の一つに、すき焼きがあげられよう。すき焼きは、牛肉と、ねぎ、白菜、春菊などの野菜を、浅い鉄鍋でもって、醤油、砂糖、酒などを合わせた割下と呼ばれる調味料で煮込む日本の料理であり1)、今ではむろん知らない人はいないであろう。そのルーツは、日本の肉食文化の開化にもあたり、明治4年(1871年)に仮名垣魯文(江戸末期から明治初頭にかけての戯作者、新聞記者2))が記した「安愚楽鍋」において、「士農工商老若男女賢愚貧福おしなべて、牛鍋食わねば開化不進奴(ひらけぬやつ)」とも表現していることからも、それが理解できる。今のようにすき焼きが料理として当たり前となるも、それほど歴史上では古くはない、すき焼きでもある。ちなみに、海外の人も坂本九さんの「上を向いて歩こう(海外ではSukiyaki)」でもって、Sukiyakiという料理は知らなくとも、その名の認知度は、今もって高いに違いない。
 そのようなすき焼きであるが、溶きたまごでもって牛肉などの熱くなった具材をそこに投入すると、これまた部分的に固まったたまごが出来上がる。牛肉などの回りはやや固まり、その他はとろ~りのままである。さらに、割下の黄金比率は、文献3)にもあるように、酒100cc:みりん100cc:醤油100cc:ざらめ30g、となるが、このやや甘めの割下が、溶きたまごとともに牛肉などの具材と絡み、すき焼きという料理のレベルを、格段にアップさせる。日本でのすき焼きそのものの誕生は明治初期であっても、或る人が誕生後に初めて食べたすき焼きに、格別の想いを抱いている人も多いに違いない。個人レベルでの文明開化が、そこに感じられる。
 ただし、すき焼きを食べるにはそれ相応の時間と労力も必要となる。なんとかして手軽に、ぱくりと口に、すき焼きを食べることができないであろうか。そう、肉まんのように….、そうして、「中華街を巡って見れば、文明開化の音がする」がしたぞ~。



図 黒毛和牛すき屋きまん4)

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/すき焼き (閲覧2018.12.27)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/仮名垣魯文 (閲覧2018.12.27)
3) https://www.cafeglobe.com/2015/12/050879sukiyaki.html (閲覧2018.12.27)
4) https://item.rakuten.co.jp/edosei/1025-sukiyaki/ (閲覧2018.12.27)

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