題名:ロォック、ステェディ~。ええのー
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
夢の中の出来ごとを、何度も何度も反芻するなかで、やがて時間が、あの、そのハムスターに待ち合わせに時間に近くになるにつれて、自分が何に向けて、本当の、自分の、何に、出逢いたいのか分からなくなってきた。僕は、藤井井美菜さん社長の元、藤井株式会社のプレゼン係として、もう一度活躍したいのか、それとも、ムックダー・ナリンラックさん社長の南鈴株式会社のプレゼン係として精進したいのか、それとも、当時の彼女に出逢って、自分の本当の気持ちを伝えたいのか…。それこそ、Lostの状態であった。過去にすでに引用されたような、PhelianのLostな夢うつつのままで、時間だけが過ぎた。そうして、気がつくと、ハムスターとの待ち合わせの時間となっていた。(急がないと…)
その時間にさいなまれるように、パッパッと身支度を済ませ、チェックアウトし、そうして、待ち合わせの場所に出向いた。もはや15分少々の遅刻。ただし、ここはシチリア島といえども、イタリア。イタリア人の正確な遅刻とは、建前として設定した時刻と、本音として守ろうとしている時間にズレがある1)。15分から30分の遅れは、ちょうどハンドルの「遊び」のようなもので、杓子定規ではない寛容な社会でもある1)。そう、ここは、イタリアなのだ(この物語)。そして、若干遅刻していることに、まっいいかとの思いもありつつ、習慣で、すでに夢うつつな自分はなく、やべーかも、と目覚めている状態であった。
ただし、もしかして、そのハムスターとの出逢いは、幻の出来事だったのであろうか、との思いもある。その疑いの気持ち晴れなかった。そうであったものの、待ち合わせの7時から30分の遅れで、7時30分ごろに待ち合わせ場所についた。ハムスターはいなかった。やはり幻だったのか…。すると、しばらくして、
「おっ、ちゃんと時間どおりやな。今からカターニャのダチのとこにいくでー。今日も健康やでー」
と聞こえ、足元を見ると、そのハムスターがいた。幻ではなかったのだ。
「ロォック、ステェディ~。ええのー」
ご機嫌であった。そのRock Steadyは、こっちか、こっちか、それともこっちなのか。どれなのかは分からなかったものの、健康の流れからすると…
「アムロちゃん、しゃいこー。カターニャへも、しゃー行こー」
やっぱりこっち (図)だった。
図 BEST FICTION2)
1) 宮嶋勲: 最後はなぜかうまくいくイタリア人. 日経経済新聞発行社. 2018. (閲覧2019.9.22)
2) https://www.amazon.co.jp/BEST-FICTION-安室奈美恵/dp/B001AAZ4GO/ (閲覧2019.9.22)
From ここから。© 2015 This is 地底たる謎の研究室 version。