題名:社会の中心
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
幼少期からの満たされない劣等感は、あるいは、自分の中に足りない愛情感は、やがて大人になるとそれを満たしたく、あるいは、知らず知らずにそれを埋める、求めるが如く、人格が形成される。そうして、大人になると、分かるのだ。その人には、何かが足りていないからこそ、その足りていない思いが、実に重いからこそ、その人は、社会的には、そういう対応への道筋が当たり前となる、ということが。
こころの劣等感、あるいは、欠如した愛情感は、他人に対しても、その欲求を満たすべく、人は変貌する。社会的な地位があればあるほど、それを自由に操ることができ、その操りの元にて、操られれば、操られるほど、地位を得られた人は、自分の劣等感は克服された、あるいは、愛情感は満たされた、と感じ得ようか。その感じが、社会的に容認されれば、下の者は従うしかない。しかしながら、誰もが思うのだ。これは、個人的な、その個人に備わる根源的な欲求が、社会的な地位で、他人に対して得たいと思う、その想い、ただ、それだけの表れではないか、と言うことが。だからこそ、古今東西、強いものに憧れ、強いものに巻かれ、強いものに対して服従し、したがる。それは、明らかなる社会的な、妙な、寛容の裏返し。容認されつつも、個々個人の欲求の塊が、それが巨大であればあるほど、実は社会を動かしているのだ、ということが。そう、あなたは操られている。嫁という存在に(この物語)。
「ちゃんと掃除した? したよね?」
「はい」
「ほら、このTVの女優さんのリップ、素敵ねー。○○、どう思う?」
「いいねー。かわいいねー」
「今度、これ、買ってもいいかな? これで、あたし、きっと素敵になれると思うのだけど…」
「分かった。買っていいよ」
「ありがとう。○○のこと、大好き…」
そうして、今宵も、その美貌に操られる(図)。結局のところ、社会の中心には、女性がいるのだ(たぶん)。
図 美貌ちゃん1)
1) https://www.pinterest.jp/pin/792492865661040054/ (閲覧2019.12.13)
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