地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

塩でもない、味噌でもない、醤油でもない、ましてや豚骨でもない、あなたというラーメンが大好き



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:塩でもない、味噌でもない、醤油でもない、ましてや豚骨でもない、あなたというラーメンが大好き
報告者:ダレナン

 本物語は、この物語の続きです。

 その後、Merame家で内部分裂が起こった後(この物語)、どうなったかは我がGaeele家には知る由もなかった。噂によれば、ニジカイの後、サンジカイはラーメンで占めたらしい。もはやそれ以上、腹に入らず、血も欲することがままならないままに、ラーメン。いやー、Merame家の一部の奴らは、タフだ。もはや、そのような余力が残されていない、我がGaeele家としては、ほどよい朱で交われば、それでよかった。ラーメンなんぞ、食べることの余裕はもはやない。ましてや、とんこつなぞ、なぞのそのこってり感は、謎に近かった。やはり、シメは、あっさりでいきたい。極ジョーの赤に、極ジョーのチーズ。それで、もはや十分。後は、その後は、朱たる、主たる、我がGaeele家の同胞との、かけがえのないひと時が大事。それが、最大の、最大級の、主たるラーメンとなるのでは、ないだろうか。そう思いつつも、両家の思想の違いに、もはや口出しはできなかった。



図 ベイベー、アイ、ウォンチュー1)

(ベイベー、アイ、ウォンチュー(図)。僕は、俺は、そのような時を、すっかり忘れていたのかもしれない。そうだった。かけがえのない時は、永遠に一瞬であり、それを過ぎれば、かけがえのない時間は、もはや存在しない。目の前の時間であっても、その時間が認識できるのは、もはや過去。一瞬でも、過去。だからこそ、その一瞬、一瞬のズレを、少しでも短くすべく、僕は、そばに居なければダメだったんだ。それが、できなかった以上、異常なまでに、ダメンズであった僕は、今更になって、初めてグルメとなる。そうだ、塩でもない、味噌でもない、醤油でもない、ましてや豚骨でもない、あなたというラーメンが大好き、だったはずなのに。それを思い出したのだ)

 ラーという名のその女性は、女性ゆえにウィメン。だから、正確には、ラーメンでなく、ラーウィメンとすべきところではあろうか。

(ラーちゃん。お元気ですか。あれからというもの、僕は、脱サラし、ラーメンの店主として、しがないオヤジになっています。それがどっこい、オープン当初は客足も多かったものの、いまでは、閑古鳥。カーと鳴いては、それでも、カラスはいなく、閑古鳥として、もうすぐ店をたたもうかと思っています。あのとき、あなたに対して、「塩でもない、味噌でもない、醤油でもない、ましてや豚骨でもない、そんなラーメンの世界を俺は作ってやるぜ」、と意気込んでいたものの、今では、フランチャイズもシッパイした、ただのオヤジです。あの時、素直に、認めればよかった。あなたのことが大好きだったということに)

1) https://www.pinterest.jp/pin/526639750157241544/ (閲覧2019.12.15)

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