題名:つい告った。
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
恋のふぉらんちゃいず化(この物語)。そのキーワードに酔いしれた。その時、ひらめいた。
(おやっさんのラーメンは醤油ベース。そして、日本にあるラーメンの多くは、塩、味噌、醤油、豚骨。だとすれば、塩でもない、味噌でもない、醤油でもない、ましてや豚骨でもない、そんなラーメンの世界があってもいいはずだ)
そして、その(知っているけど…、思い出せない。いや、知らない人だろう)(この物語)の女性を見た時、胸が高鳴った。(なんなのだ。これは…)。そして、(おやっさん、タンちゃんを超えるべく、俺は一流の料理人になって、恋のふぉらんちゃいず化を成功させちゃる)とこっちも胸が不思議に高まった。
タンちゃん:「ガエールくん。ぼっーっとしていないで、この餃子を5番のカウンターまで運んで」
5番カウンターに俺の胸を高鳴らさせた女性がいた。ドキドキしながら、ザ・ニンニク焼餃子を運んだが、彼女からは、「ありがとうございます」と言われるだけで、俺の顔を見て特に変わった反応はなかった。やはり他人の空似なのだろうか。それとも、記憶にはまったく関係のないときめきだったのだろうか。いつの間にか24か25歳ころの俺の気分に戻っていた。が、もはや日本に来て一年ほど経ち、やがてアラウンドフォーティーンとなった俺には、特殊な輝き(眼力)はすでになかったのかもしれない。さらに、あの事件、女性の首筋が噛まれる事件が起きなくなってから、僕は何故か通常に年齢を重ね始めていた。でも、彼女には、ただの客であっても、その彼女からは、俺はあの時のこころの中で、あのときめきを取り戻せたような気がした。
その女性も帰り、しばらくして、忙しく接客していると、いつの間にか今日の店の数量もはけ、タンちゃんから料理を教わる時間となった。今日は、おやっさんのラーメンをベースにタンちゃんアレンジしたものを試食した。やはりタンちゃんの作る料理には、一流の味がある。そうだ、タンちゃんといっしょに、ラーちゃんラーメンという店をふぉらんちゃいず化してもいいのかもしれない。その時、そのまだ見ぬ店には、(塩でもない、味噌でもない、醤油でもない、ましてや豚骨でもない、そんなラーメンの世界を俺は作ってやるぜ)と再び意気込んだ。そこで、「僕も作ってみるよ」、とその意気込みを見せるべく、僕なりのラーメンを作ってタンちゃんに試食してもらった。「これ、おいし~」というはずだ。それほどまでに、俺のラーメン修行は佳境に入っているはず。
タンちゃん:「わるくはないわ。随分と腕をあげたんじゃないかしら。このスープ、濃くがいいわねー」
その言葉で、つい告った。「タンちゃんのこと、大好きだー。大好きなんだ―」
タンちゃん:「ガエールくん。ありがとう。うれしいよ」
図 1)改
1) https://matome.naver.jp/odai/2137064817537407101 (閲覧2020.1.4)
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