題名:うわっ、くさっ。
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
かなり酩酊していた上に、晴美さんにがっつり寄りかかっていたところを琉花に見られるなんて。バツがわるかった。その後も、二人は地域なんとかについて難しそうな話をお互いに話し合っていた。僕は、すでに二人の話にもついてゆけない。ひとまず、帰ることにした。
「帰るよ…」
琉花:「カツオくん。大丈夫? でも、食事は…」
晴美:「わたしたちといっしょに食べないの?」
「朝早かったから、やっぱ眠くなってきた」
琉花:「うん。わかった。じゃあ、また明日ね」
「うん」
そうして店を出た。琉花ともっと話がしたかった。でも、晴美さんがそばにいるとどうしても気にしてしまう。そう、いまも酩酊したのが、晴美さんの香りの成果とも思うくらいに、鼻の奥に焼き付いていた。
過去の経験から、晴美さんからの香りの類は、僕にとって程目が効かない、感情のアンコントロールな状態に陥ることが分かっていた。彼女に近づくと、これ以上近づくと、危険かもしれない。なんとなくそう感じていた。だから、とりあえず今日は、とりあえずここから離れた方がいい。帰り際に見た晴美さんの乱れた髪の姿(図)も気になっていた。僕は相当、晴美さんに寄りかかっていたのかもしれない。琉花が何か言いたげで、少し機嫌がわるそうだった(この物語)のも、頷けた。
図 晴美さん1)
「アサリ(僕の妹)。ただいまー」
「うわっ、くさっ。兄ちゃん、だいぶ飲んできたの。わたし高校の受験控えてるんだから、もうちょっと気を使ってよね」
「ごめんごめん」
1) https://www.pinterest.jp/pin/623607879633886353/ (閲覧2020.1.31)
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