地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

それは人の顔だ。


あなたのシェアがとってもうれしいなので~あります。
pocket LINE




「ねぇ、これなにかな?」

 

彼女は僕に手のひらを見せて問うた。

 

「さっきから、かゆんだけども...」

 

TVをみていた彼女は、僕に手のひらを見せた。そこには、三つの斑点があり、蚊に刺されたものなのかと一瞬思った。でも、よく見ると、僕からは、それらが、顔に見えたのだ。

 

「やっぱり蚊に刺されたのかな~」

 

そうして、彼女は手のひらを搔いていた。

 

僕:「かゆみ止め塗る?」

 

彼女:「う~ん、少し経てば大丈夫そうかな~。ちょっとおさまったかも...」

 

そういう彼女に顔には困惑の表情が見て取れた。でも、僕には、それが、顔である、そのことが、ここで、間違いなく直観できた。

 

それは人の顔に間違いない隆起だったのだ。