題名:愛の信頼と責任
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
キーッキーッキーッ、というあの車輪の音が聞こえるたびに、僕はいつも何かを失っていった。目の前に居るキーコに対しても、僕は何かを見失っていた。
この音は何だろうか…。
車輪が回るほどに、その音はどんどんと勢いを増してゆく。
キーコとの約束も頭の中で反芻しつつも、僕はその音に悩まされて、その音を振り払うかのように、キーコに接していた。聡明なキーコは、僕のその変化を見逃すはずがなかった。次第に、キーコの中で、僕という存在の本質が露わになる。でも、僕は、本当は、そうじゃなかった。そうじゃなかったのに、その音に支配されるかのように、僕は何かを、大事な何かを見失っていた。
愛の本質とは、奪うことではない。
生涯をかけて相手への信頼と責任を全うする。
そして相手を決して傷つけぬこと。
それに、無限と永遠をかければ愛に近づく。1)
気が付くと、僕は、キーコを傷つけていた、僕は、僕自身が傷つくことで、キーコへの愛に近づくと勝手に信じていた。それは、僕には、どうしても、あの音に騙され、あの音を葬り去りたかったから、という思いが支配していたからだ。でも、それは、キーコへの愛の信頼と責任を奪っていたことにもなった。
(そうだ。いつもの世は、「ジョー・ブラックをよろしく」のように、最後はハッピーエンドにはならない)
カプセルの中で、再びキーコの夢を見た。今も愛するキーコの夢を見た。
2つの心が、
2つの心が、一つになって、鼓動して、
僕たち2人の人生は、始まったばかりだったのに...。2)
僕は大事なことを見失っていた。
(キーコ、ごめんよ)
1) https://gamp.ameblo.jp/mio1384/entry-12598546925.html (閲覧2020.8.29)
2) https://ameblo.jp/susse-liebe/entry-12133404859.html (閲覧2020.8.29)
From ここから。© 2015 This is 地底たる謎の研究室 version。