題名:疑惑による有罪
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
眠りに落ちた。そして朝になり僕は目が覚めた。しーんと静まり返った朝だった。いつもなら、カチャカチャと朝食の準備をする音やゴトンゴトンと洗濯機の回る音がする。でも、今日はやけに静かだった。キッチンに行くと、そこに妻はいなかった。そっと、妻の部屋を覗いた。まだ、布団の中だった。
「どうしたの、体調悪いの?」
「少しだけ…」
「風邪?」
「そうじゃないけど、疲れているみたい。今日、会社休む」
「分かった。代わりになんか朝食作ろうか?」
「ほっといて」
「でも…それじゃ…」
「いらないから、ほっといてよ」
妻は布団をかぶり、僕と反対の方向を向きながら、それ以上何も言わなかった。
「じゃぁ、仕事に行ってくるよ」。
外に出ると、秋の気配を感じた。季節的に、かなり寒くなっていた。その寒さに、ぞわっと、ニワトリ並みの鳥肌が出ていた。そのニワトリの肌は、僕に昨日の夜の奇妙な夢を思い出させた。出社前にスマホを確認したら、会社から着信が多く入っている。日付を見ると3日経っている。どういうことなんだろうか? どういうことなんだろうか? どういうことなんだろうか?
ころしゅて、ぼきゅは、ぐんじんになっちゃんだ。
だいいちぶたい、しゅべてぜんめちゅでしゅ。おおえんをよこしゅてくだしゃい。
ぼきゅも、いずれは、ころしゃれるんだ。
ぼきゅは、ばきゅんと、ころした。
声がする方向を見ると、部屋の奥にはニワトリになったあの”くっくどぅーどるどぅ”がいた。ニワトリ…。
ヒヨコからニワトリ。かなりの時間が経過していた。そうして、シズコも寝しずまった家の空間の中で、自宅で、僕のGrolschは止まらなかった。その蓋には、Grolschのその蓋には、明日の日も明後日もあなたは飲めますよ的な蓋があるにも関わらず、僕の飲むことは留まらなかった。疑惑による有罪。
僕の記憶は、何かが完全に失われている。酩酊の中、時系列もあいまいになっている。
それは分かっていた。でも、それが何かは分からなかった。戻ってきたシズコの部屋を覗いた。あいも変わらずシズコはぐーすか寝ている。愛は変わっても、愛も変わらずだった。
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