題名:確かに、臭い。
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
電流スピナーはスマホ内部のデータを輸送する空飛ぶ車のようなものであった。エレクトロンがマイナスからプラスへと転じるそのデータに付加をかけて、01の信号として、中央国家集権であるCPUのSnapdragonへとエサを運ぶ。途中、民間企業のRAMを介して、そこで官公庁のROMと照合してメモリー審査され、Snapdragonのエサにふさわしい情報かどうかが判定される。
「それでははっしんするにゃん」
りどるは、電流スピナーのディスプレイをオンにした。そして、コントロールレバーを握ると、電流スピナーは浮上した。その時、動きにがたつきが見られた。浮上してすぐさま、電流スピナーは着地を余儀なくされた。ディスプレイからは警告ランプがともっている。
プピー、プピー、「あれっ、おかしいにゃん」
りどるは、ダッシュボードから説明書を取り出し、警告ランプのエラーメッセージを探った。エラー番号999。どうやら重大な故障のようだった。
エラー999:「電流スピナー内のメモリーに、臭気と振動により異常な以上が発生しています。修理工場へすぐに修理依頼をしてください」
「…しゅうき、って…」
「もしかして…」
「ほうひ」「放屁」
先ほど寝ているわたしが放った屁が、スマホ内部に異常な以上を発生させていた。わたしは睡眠虫に取りつかれている中、僕は電流スピナーに同乗した。そして今、エラーを起こしているそれに同情した。それほどまでにわたしの屁は臭いとは思ってはいなかった。確かに、臭い。尋常じゃないレベルだった。寝具の中は、その臭気でいっぱいにあふれ、それでもわたしは起きなかった。
慣れてしまっているのだ。もはやすでに。
「こんなこと、はじめてだにゃん」
りどるは、かなり困惑していた。この分だと当然、スマホ全体も相当なダメージを受けているはずだ。もしかして先ほどのじしん(スマホを落とした)にも原因があるのかもしれない。
「にゃんてことだーーー」
「なんてことだーーー」
りどると僕は、同じタイミングでI scream(図)した。遠くにあるCPU、Snapdragonも、どうも今はかちかちと音がしていない。スマホ内部は死んだかのように静まり返っていた。
図 アイスクリームの基礎デザイン1)
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