地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

これからの道しるべになる



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:これからの道しるべになる
報告者:ダレナン

 本物語は、この物語の続きです。

 (にゃおーん、ありのままの~すがたみせるのよ~)

 何度も何度も連呼して頭の中に唄が響き始めた。そうだ、きっとリトルは、すがたみせるのよ~と蘇ってくるに違いない。ぼやッとしながらも、わたしは密かに期待した。「あたしの声、聞こえてるの?」

 (にゃおーん、ありのままの~すがたみせるのよ~)
 (にゃおーん、ありのままの~すがたみせるのよ~)
 そして僕は布団の中で息を吹き返した。ぼんやりと目覚めた。横には円卓に座るリトル…、いや、りどるがいた。りどるは”にゃおーん…にゃおーん”と陽気に唄っている。その横でメガミ・エナイさんが、りどるにあわせて、”ありのままの~すがたみせるのよ~”と唄っている。
 周りを見渡すと、ここはどうやら秘密倶楽部・にゃんこたろう?の店内の奥の座敷のようだった。僕の意識は、スマホ内部に戻っていた。というか、メガミ・エナイさんの呪術が終わったかのようだった。

メガミ・エナイ:「ミチオ様、ようやく戻ってきましたね」
りどる:「ずいぶんと、にゃがかったにゃ~ん。いいゆめみれたかにゃ~ん?」
僕:「うん、まぁ、なんというか…過去なのか未来なのか…?」
りどる:「”またたびシュ”のいりょくは、すごいんだにゃ~ん。じかんをこえるんだにゃ~ん、うひぃ」
僕:「時間を超えるって?」
 その時、メガミ・エナイさんは鼻と花をくんくんとさせながら、満面の笑みで教えてくれた。
エナイ:「"ままたびシュ”の成分によりわたくしの呪術が解放され、記憶の過去と未来を、現実のものとできる作用があるのですよ。いかがでした? ミチオ様」
僕:「ということは…?」
エナイ:「すべてミチオ様の今までの過去とこれから起こりうる未来が、先ほどの呪術中の夢に投影されているのです」
りどる:「すいごいんだにゃ~ん、えないちゃんは、うひぃ」
僕:「ということは、リトルが死んだことは今でも覚えているけど、その前の夢で見た、僕は、祖父ヤナチェクの黄泉がえりなの?」
エナイ:「それは何とも言えません。ただ、その記憶が、きっとこれからの道しるべになるはずです」
りどる:「そうだにゃ~ん、うひぃ」
 りどるは随分とくつろいで、”またたびシュ”を呷いでいた(図)。



図 呷る1)



1) https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=927166&word=%E7%8C%AB%E3%80%80%E3%81%8A%E9%85%92 (閲覧2021.4.9)

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