地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

くっくどぅーどるどぅ の検索結果:

生まれる前のたまご

…っこーとは鳴かずに、くっくどぅーどるどぅ、と、とてもなじみのある鳴き声で鳴いたそのおもちゃの黄いヒヨコは、かつての僕のことを思い出した。 その出来事が本当にあったのか? だから、それは現実だったのか、それとも幻想だったのか、厳格だったのか、幻覚だったのか、原核か? まるで生まれる前のたまごだった。核に包まれ、それすらわからない今の状態でも、くっきりと思い出せる奇妙な夢。占い師の予言。 牛の周りを黄色い小さな物体がぴょこぴょこと動き回るヒヨコ。ヒヨコの胸の名札、くっくどぅーどる…

とてもなじみのある鳴き声

…プピーとは鳴らずに、くっくどぅーどるどぅと鳴いた気がした。 それは僕にはとてもなじみのある鳴き声だった。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(arguments)};c.get…

ミルクチョコレートのような時間

…ヒヨコの名札には、”くっくどぅーどるどぅ”と書かれてはなく、”ワカモト・オスカル”と書かれている。 Not ”くっくどぅーどるどぅ”, He is ”ワカモト・オスカル” made by ダリオ. (あなたの子なのよ) あるいは、クミちゃんとの伊香保温泉での大浴場の出来事も、脳裏に鮮明に浮き出していた。 溶け合う肌、 もれる吐息、 見つめ合いつつ、 そして、接吻。 限りなく甘いひと時、 それは上質なミルクチョコレートのような時間だった。 Baby, I'm gonna kis…

王冠が外れる

…び「打て、打つんだ。くっくどぅーどるどぅ」と号令した。その号令とともに、ニワトリのくっくどぅーどるどぅは、激しくビンタされた。くっくどぅーどるどぅは、きょとんとして、きょろきょろした。彼の頭からは冷汗がにじんでいた。彼には、もはや思考能力がないようだった。それを見て、彼の後ろに居たヒヨコ、彼それとも彼女は、ブリキの太鼓を激しく叩き、先ほど以上に、再びきょぇーと奇声を上げた。 パリ――ン… 号令した二匹目のニワトリこけっこーの頭が吹っ飛んだ。 ニワトリこけっこーの一団は後ずさり…

チーン

…ろきょろしながら、”くっくどぅーどるどぅ”も、そこに居た。たぶん、それは僕自身だった。ただ、以前とは違ってその最後列のさらに最後列に隠れて、隠れていないように、そこには”くっくどぅーどるどぅ”という名札を付けたヒヨコも同列をなしていた。そのヒヨコの首には、ブリキの太鼓がぶら下げられていた。彼それとも彼女は、がんがんがんと勢いよくそれを叩いていた。彼それとも彼女の表情にはうれしそうな笑みも溢れていた。 一方で、こけっこーのニワトリは、以前、僕が見たイマージュのように変わらず銃を…

ちぐはぐ

…を終えた。僕の中の”くっくどぅーどるどぅ”も泣いていた。クミちゃんとの記憶がどんどんと繰り返すにも関わらず、僕はもうすでに、若鶏ではなかったからだ。 そして、買い物帰りに走行するうちに、自転車で走行するうちに、そうこうするうちに、あやうくも自転車で転げそうになった。注意も三万となり、買い物も気がつくと三万となる。この前チャージしたのに、早くも三万近く買い物をしている。どういうことなんだ? PayPayの履歴とあなたの残高は、酷にもそれを示していた。 そうして、いろいろなことを…

Babyface?

…物語の続きです。 ”くっくどぅーどるどぅ”が本当に僕自身なら、僕も彼と同じく、ヒヨコからニワトリへと成長した。今の僕は、そう言えるかもしれない。僕は、すでにかつての仕事の業種も変わり、以前のように不安定な精神的な日々は送らなくなっていた。妻シズコとも、何とかうまくやっている。 でも、何かが足りない。Verse 2: Babyfaceで、彼Babyfaceはこう伝えている。I thought I'd never love again.I thought my life was …

ヒヨコからニワトリへと成長した。

…めなくなっていた。”くっくどぅーどるどぅ”も、ヒヨコからニワトリへと成長した。(よりによって、わたしも知っているワカモト・クミと、“なぜ“なのよ)。ぼきゅは、くみしゃんを、ころしゅんだ。「買い物にいってくるよ」「いってらっしゃい」 妻シズコに買い物を行くことを伝えて、僕は自転車に乗った。近所のスーパーは今日のチラシによれば、当店人気のお惣菜として、「生しょうが入り手もみ若鶏もも竜田揚げ」があるはずだ。同列に示されていた「サクッとジューシーな肉厚チキン」もよさそうだった。 スー…

疑惑による有罪

…ワトリになったあの”くっくどぅーどるどぅ”がいた。ニワトリ…。 ヒヨコからニワトリ。かなりの時間が経過していた。そうして、シズコも寝しずまった家の空間の中で、自宅で、僕のGrolschは止まらなかった。その蓋には、Grolschのその蓋には、明日の日も明後日もあなたは飲めますよ的な蓋があるにも関わらず、僕の飲むことは留まらなかった。疑惑による有罪。 僕の記憶は、何かが完全に失われている。酩酊の中、時系列もあいまいになっている。 それは分かっていた。でも、それが何かは分からなか…

眠りに落ちた。

…。 眠りの中での彼”くっくどぅーどるどぅ”はとても優しかった。クミちゃんらしきヒヨコに対して、毛並みをそろえたり、一緒に羽根を整えたり、お互いとても自然に関わっていた。その僕が、その彼”くっくどぅーどるどぅ”が、何でクミちゃんを殺さなければいけないのか、僕には、さっぱり分からなかった。 夢の中でも、現実でも、僕には答えがでなかった。 そうして、眠ったか、眠っていないのか、分からない夢うつろのままに、僕たち二人は、伊香保での3日間を過ごした。一晩三日とも言える状況でもあった。た…

とても険しい目

…ぞという態度を、彼”くっくどぅーどるどぅ”は示していた。「くみしゃんにはいうな。ほんちょうのこと、いっちゃだめだ」と、その態度から口止めされていた。 僕の場合、彼は夢じゃなかった。彼は、夢から覚めてもそこに居た。彼は、僕たち二人をずっと観察していた。夢の中の彼とは違い、現実に、僕の眼に見えている彼は、とても険しい目をしていた。ぼきゅは、くみしゃんを、ころしゅんだ。殺す…、なぜ。ぼきゅは、くみしゃんを、ころしゅんだ。 彼の険しい目は、そう告げていた。なぜ、クミちゃんを殺さなけれ…

分身

…に立っていた。傍らでくっくどぅーどるどぅが掘りあてた白銀の湯なる温泉は、こんこんと沸きだし、煮沸するかのような熱い湯があたり一面に激しく散らばっていた。「やった、はくぎんのゆをほりあてちゃんだ、ぼきゅは。やったじょー、ちゅいにやったんだじょー」 つるはしを両手に掲げながら、彼はダンスしていた。くねくねと踊る奇妙なダンスだった。その奇妙さは彼(ヒヨコ)の運動神経を端的に表しているかのようだった。TikTokにしろ、Instagramにしろ、Youtubeにしろ、ダンスの上手な人…

白銀の湯

…、そのヒヨコはあの”くっくどぅーどるどぅ”に間違いなかった。薄明りで名札がよく見えなかったが、彼はくっくどぅーどるどぅだ。そして彼の右手にはつるはしが握られていた。「ぼきゅは、いまからおんしぇんを、ほるんだ」「温泉、伊香保で?」「しょう、おんしゃんをほって、はくぎんのゆをしゃがしあてるんだ」「白銀の湯を?」「しょう」 彼が、床をかちんかちんと掘る音が耳元で鳴り響いた。ふとクミちゃんを見ると、そんな音は聞こえていないようだった。ヒヨコの存在も見えていないようだった。でも、そこに…

大欲情

…た瞬間、脱衣室の奥でくっくどぅーどるどぅが泣いているような気がした。「ぼきゅは、くっくどぅーどるどぅとしか、なきぇない。こけっkkっここ-となけないんだ」「じゃって、みてほしん。そこには、kkがふたちゅある、じゃろ?」「だきゃら、じゃろってなんじゃろ、ってにゃるんだ、にゃるんだよ。こーこくのように」 大浴場から上がって、部屋に向かう最中、僕は大欲情していた。本心から言えば、僕はクミちゃんと寝たい、だけな訳ではなかった。僕はクミちゃんと結ばれたかっただけだった。それは、体だけで…

記憶がまざまざと

…ヒヨコが居た。名札にくっくどぅーどるどぅと書かれているあのヒヨコだ。僕自身かもしれない、くっくどぅーどるどぅ。「しょうゆうことなんだ。ぼきゅは、くみしゃんにむちゅう。きおくがけちゅらく」「欠落?」「しょう、けちゅらく」「覚えていないってこと?」「しょう。くみしゃんときょきょにきたことに。ひとばん、いやみっきゃ、くみしゃんと、しゅごしたことに」「一晩三日過ごした?」「しょう、ぼきゅは、くみしゃんにむちゅう。くみしゃんとからじゃをいっぱいかさねたんだ。ようは、ねたんだよ。しじゅこ…

永遠の解答

…のか。それとも、僕がいるから、あなたがいるのか。どちらがタマゴで、どちらがヒヨコだろうか?くっくどぅーどるどぅ それから、数日が、いや数か月か、僕にはもはや判別できなかった。チキンラーメンとハイネケンで生かされているこの体と魂。スマホにはその後も連絡はなく、僕は、僕という存在はこの世から抹消されている。それは、僕が望んでいることだった。でも、実は、本当に、僕は、それを、望んでいるのだろうか?From ここから。© 2015 This is 地底たる謎の研究室 version。

“豊かでなめらか、そして温かみのある声”

…う言われた気がした。くっくどぅーどるどぅ だんだんと僕の中には人を思う気持ちや配慮が欠けていった気がした。いやな顧客回りを繰り返すと、その精神が自分にも乗り移っていった。自業自得になり、かつての僕の正義感は、どこに行ったのだろうかと思えた。そして、ただ、ただ、会社と自宅の往復。会社と意地悪い顧客での応対。それを繰り返し、繰り返す。心底、疲れていた。 それから数か月のこと、ある日、受付から感じるなんとなく華やいだ雰囲気に気づいた。それはかつての僕で、今の僕が忘れていた輝きだった…

ヘリの音

…ろしゃれるんだ。 “くっくどぅーどるどぅ”は僕自身だった。ぼきゅも、いずれは、ころしゃれるんだ。 僕の中の“くっくどぅーどるどぅ”がそう叫んでいた。 家に帰るとシズコがお湯を沸かして待っていた。傍らにはチキンラーメンの袋と卵とネギがあった。「ほらっ、ちょっと久しぶりで、何していいか分かんなかったから、これにした。これで、十分じゃん。卵とネギも乗っけた」「うん、十分だね」「そうでしょ」 妻はうれしそうだった。それだけでもいいんだ。 その晩は妻と一緒にハイネケンを飲んだ。「でもさ…

僕が殺してしまったんじゃないか

…そうつぶやいた。 “くっくどぅーどるどぅ”は僕自身なのか。あの受付の子は、クミちゃんは風邪だと言っていた。本当にクミちゃんは風邪なんだろうか。風邪で休んでいるだけなんだろうか。クミちゃんも僕が殺してしまったんじゃないか、そう思えた。 営業課の5Fに着き、周りを見渡すと、社員すべてがニワトリに見えた。皆の名札にはこけっこーと書かれてあった。誰もが目をギラつかさせて行進していた。ふとめまいがしてふらっとした。 気づくと僕はソファに寝かされていた。そこに上司のサメジマさんがいた。「…

「貴様。それでも軍人か」

…した、そう告げた。“くっくどぅーどるどぅ”がそう告げた。 シズコがいない中、僕は何とか自分の意識を保ちつつ、布団に入り眠りについた。でも、なかなか寝付かれなかった。妻シズコのことを思い浮かびつつ、同時にクミちゃんのことも思い浮かんだ。もし、二人とも永遠に逢えなかったら、どうなるんだろうか。 妻とのLINEは、今もまったく通じない。確認しても、既読はなかった。妻は殺されたのか? 妻シズコは、あのヒヨコに本当に殺されたのか? 僕は自分に今しがた起こった出来事に対して、まったく理解…

ぼきゅがやったんだ

…殺された。ヒヨコに…」 何度も大声でシズコの名前を呼んだ。全然応答がなかった。 シズコは殺されたんだ。あのヒヨコに殺されたんだ。 ぼんやりと昨晩見た夢を再び思い出した。そうだ。その夢のヒヨコの名前は確か、くっくどぅーどるどぅだった。その時、さっき部屋の奥で立っていた「シズコを殺した」というヒヨコにあった名札も瞼に浮かんできた。浮かんだイメージには、” くっくどぅーどるどぅ”と書かれてあった。From ここから。© 2015 This is 地底たる謎の研究室 version。

ニワトリ並みの鳥肌

…名札が貼ってあった。くっくどぅーどるどぅと書かれてある。 そして、時折、そのヒヨコは銃を取り出し、獣の雄たけびのようにくっくどぅーどるどぅと鳴いていた。たぶん牛に銃を向け、打とうとしている。でも、ヒヨコの腕からはニワトリ並みの鳥肌が立って、くちばしもがちがちと震えていた。 そこにこけこっこーと名札の書かれたニワトリが登場した。「打て、打つんだ。くっくどぅーどるどぅ」 そのヒヨコに向かって叫んでいる。「うてにゃい」「打て、打つんだ」バシバシ。 こけこっこーのニワトリは、くっくど…

針ポッたな魔法使い

…銃を放たなかった彼、くっくどぅーどるどぅは、獣ではなかったのだろうか。そこに僕に対する彼なりの配慮があったのだろうか…? 何も分からないまま僕はぼんやりと眠りに近い瞼で混沌としていた。 気がつけば、口元から何だかまた血の味がした。再び出血をしているみたいだ。でも、その量は微かで、ほっておけばこのまま何とか一夜はすごせるかもしれない。変にナースコールを押すことは控えよう。新人の彼女にも配慮はすべきだろうな。何かが欠けている僕には、妻に対しても看護師さんに対しても、配慮すべきなん…

何かが欠けている

…ないはずなのに。そう思いつつ、僕は妻との過去を振り返っていた。 そうだ。僕にはやっぱり何かが欠けている。 それは何なのだろうか。妻に対する配慮…? くっくどぅーどるどぅ。くっくどぅーどるどぅ。耳元でまた、あの妙なニワトリが泣いていた。くっくどぅーどるどぅと名札が付いたあのニワトリのことを。そしてニワトリの軍隊で最後尾に位置していた彼のことを反芻した。そう、銃を放ってはいなかった彼のことをだ。From ここから。© 2015 This is 地底たる謎の研究室 version。

地球の飢餓を救え。

…の最後尾を確認した。くっくどぅーどるどぅも弾丸を放ったのか気になっていたからだ。彼も弾丸を放ったのだろうか…。しかし、くっくどぅーどるどぅはその隊列にはいなかった。なんだかほっとした。 この弾丸の進み方だと、弾が僕に着弾するまで3分ほどかかる。場合によっては1分だ。お湯かけ3分、お鍋で1分。でも、僕はお湯かけを選んだ。だから、3分でいい。その間、お湯が沸くその間、ドンブリとドンブリの蓋を、そしてお箸を準備した。お盆も準備した。あと3分で着弾する。 お湯が沸き、お湯を注いだ。今…

くっくどぅーどるどぅ

題名:くっくどぅーどるどぅ報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 二人の間に一瞬の沈黙があった。にらみ合い、そして、自転車の彼はペダルに足をかけ、足早にその場を去ろうとしていた。僕にはその動きがとてつもないスローモーションに見えた。さっと、ペダルに足をかけ、彼の動きを邪魔した。そして問答無用でそのまま彼を蹴飛ばした。 なぜにこうも僕は怒られなければならないのか。妻にも、そして自転車の彼にも。僕はなにも悪いことはしていない。奈落の井戸に意思が放り込まれているだけなんだ…

ニワトリの軍隊

…の物語の続きです。 くっくどぅーどるどぅ。くっくどぅーどるどぅ。その後も、僕の頭の中のニワトリが何度も泣いていた。なぜに、こけこっこーと鳴かないのか分からなかった。でも、泣いていた。何かを求めるようにして泣いていた。その何かは、今は分からなかった。「最近、疲れていたみたいだから、ゆっくり休んでね」 いつもは働けっ、もっと稼いでよねっという妻の、その思いがけないセリフに、僕は苦笑いした。苦笑いすると、頬がたぷっているのが分かった。鏡はここにはない。でも、鏡を見ると、僕の顔面はか…