地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

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その肢体

…の砂漠を眺めながら、ぼんやりと過ごす。キーコは第5人工ドームのSequenzerテラス (from 70 to 07)でよく言ってたっけ。「私たちも地球に生まれてみたかったよね。海で泳いでみたい、一度は。地球の海で。ねっ、ツキオ。そう思わない?」って。そのテラスで砂着(地球で言う水着に相当)に着替え、チェアに横たわっていたキーコは、いつも妖艶だった。今でもその肢体が目に焼き付いている。キーコが砂着を纏っている肢体からほとばしる放射線は、いつも僕の体を熱くさせた。キーコが心から…

ぼんやりと過ごす

題名:ぼんやりと過ごす報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 この世から、正確にはMoon Townから姿を消したキーコを、ツキオは必死で追い求めた。キーコはどこかにいるはず。そのたびに、傍にいた時のキーコの動作、行動、そして、その愛らしい仕草を思い出さずにはいられなかった。それを反芻するたびに、キーコの存在が大きくなり、傍で感じていた以上の愛を、キーコへの愛を僕は感じていた。 相変わらず、キーッキーッキーッっと車輪が回る音が、耳に響いている。 でも、その音は間違い…