地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

ニワトリの軍隊 の検索結果:

“豊かでなめらか、そして温かみのある声”

…ころしゃれるんだ。 ニワトリの軍隊の中で、僕は銃を放つことができなかった。やっかいな顧客回りは、いわば成績には結びつかないものばかりだった。僕は、営業2課では、完全に銃に打たれる役だった。かつて僕が放っていた銃は、もう手元にはない。僕は、すでに獣ですらない、ヒヨッコだった。ヘリの音が聞こえ、着陸したヘリから降りてくる軍曹に、お前は第2部隊で続行だ、と言われた気がした。死ぬまで働け、そう言われた気がした。くっくどぅーどるどぅ だんだんと僕の中には人を思う気持ちや配慮が欠けていっ…

何かが欠けている

…ないはずなのに。そう思いつつ、僕は妻との過去を振り返っていた。 そうだ。僕にはやっぱり何かが欠けている。 それは何なのだろうか。妻に対する配慮…? くっくどぅーどるどぅ。くっくどぅーどるどぅ。耳元でまた、あの妙なニワトリが泣いていた。くっくどぅーどるどぅと名札が付いたあのニワトリのことを。そしてニワトリの軍隊で最後尾に位置していた彼のことを反芻した。そう、銃を放ってはいなかった彼のことをだ。From ここから。© 2015 This is 地底たる謎の研究室 version。

地球の飢餓を救え。

…なり、またも場面は、ニワトリの軍隊に変わった。「コッケ、コッ、コ、ゼンタイ、トマレッコ」「ヒダリ、ムケッコ」 すると、ニワトリが一斉に僕の方に向きなおした。「カマエッコ」 僕に銃を向ける。「ウテッコ」 ババババババキューン。 ニワトリの獣から放たれた弾丸が次第にこっちに押し寄せてくる。でも、弾丸の進み方がとてもゆっくりしていた。僕は押し寄せる弾丸の列の隙間から、ニワトリの隊列の最後尾を確認した。くっくどぅーどるどぅも弾丸を放ったのか気になっていたからだ。彼も弾丸を放ったのだろ…

ニワトリの軍隊

題名:ニワトリの軍隊報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 くっくどぅーどるどぅ。くっくどぅーどるどぅ。その後も、僕の頭の中のニワトリが何度も泣いていた。なぜに、こけこっこーと鳴かないのか分からなかった。でも、泣いていた。何かを求めるようにして泣いていた。その何かは、今は分からなかった。「最近、疲れていたみたいだから、ゆっくり休んでね」 いつもは働けっ、もっと稼いでよねっという妻の、その思いがけないセリフに、僕は苦笑いした。苦笑いすると、頬がたぷっているのが分かった…