地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

ハイパーループ・カプセル の検索結果:

不可逆的変化

…と鳴り響いていた。 ハイパーループ・カプセルのトンネルに入って来た時と同じように、ツキオはループした無限大のマークを足で踏んだ。するとドアが現れ、「さっ、地表に戻るで」と僕を誘った。 ドア内にするりと入ると、グオーンとかすかな音がした。少し暗めのドームの地表、その目の前にドーム内壁のいびつな形に添うようなロココ調の建物が見えた。表の看板には、「ようこそ、新新時代のノアの箱舟の館へ」と書かれてあった。僕らの横には第4世代と思しき、ツキオよりも若そうなMoon人の夫妻が、「ほら、…

思い出そうとしても、想い出がない

…もしれない。その間もハイパーループ・カプセルは、Subway Trainのように静かに滑らかに進行し、「まもなく第1ドームの新新時代のノアの箱舟の館に到着します」とアナウンスを告げた。 プシュ―。カプセルのドアが開いた。カプセルの外からすこしかび臭い匂いが漂ってきた。明らかに第3ドームとは異なる種類の匂いだった。空気そのものがかび臭い。 トンネル内の空気清浄機もカタカタと音を立てて動いていた。僕は、そこに経年変化を感じ取ることができた。キーコさんが言っていた通り、第1ドームは…

チーズの包装、パッケージ

…かしら」キーコさんはハイパーループ・カプセルの天井に向けて言い放った。「かしこまりました」 しばらくすると、今度はテーブルの上にチーズが出てきた。チーズの包装、パッケージには、こぶちゃんのイラストがあった。こぶちゃん。宇宙服を着ている。月の砂漠を歩いている。そんなイラストだった。 目を凝らしてそのパッケージをもう一度じっくり見た。(この宇宙服は、僕が開発したこぶちゃんスペシャルじゃないだろうか…。きっと、そうだ)From ここから。© 2015 This is 地底たる謎の研…

ハイパーループ・カプセル

題名:ハイパーループ・カプセル報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 見つめ合っていた二人はやがて僕の方に振り向くと、こっちこっちと僕を手招きした。手招きした位置まで歩くと、地面の上に、くるくるとループした無限大のような記号が書かれていた。キーコさんは、そのループ記号を足で押した。すると、ドアのようなものが現れた。キーコ:「さっ、ノブヨシさま。この中に入って」 そうして、二人がドアの中に入るを見計らってから、僕もその中に入った。 バタン、シュイーン。一瞬、あたりが暗…