地底たる謎の研究室

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Dunkleosteusの形態



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:Dunkleosteusの形態
報告者:トシ

 Dunkleosteus(ダンクルオステウス)は、古生代デボン紀に生息していた原始的な魚類の一群である板皮類のひとつである。その名称は、クリーブランド自然史博物館の古脊椎動物学者デイヴィッド・ダンクル(David Dunkle)にあやかって付けられた1)。体長は5~9mほどで、現在の北米や北アフリカの海域に住んでいたとされる2)。Dunkleosteusの特徴は、その強靭な頭部と肩帯付近、および顎にある。図にDunkleosteusの頭部のイラストを示す。EVA初号機の覚醒した状態にも似ているようであったため、これについても詳細に調べた。

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図 Dunkleosteusの頭部イラスト3)

しかしながら、それとは異なっていた。しかしながら、ある種覚醒した状態ともいえる異様な頭部ではある。それもそのはずで、このDunkleosteusは下顎だけでなく、上顎も動かせ、それによってかなり大きな獲物も食べることができたようである1)。両顎を大きく開けた状態は、まさに覚醒した状態であったのであろう。なお、前面にある歯のようなものは、歯ではなく、プレート状に発達した顎の骨である。このように大きな顎をもっていたために、噛む力も相当であったことが容易に推測できる。この噛む力については、生体力学モデルを使って計算され、論文としても報告されている4)。それによると、顎前方では6170 Nであり、顎後方では7495 Nもあったと推定されている。論文中にその噛む力を比較する対象として、現生するCarcharhinus limbatus(カマストガリザメ)とCarcharodon carcharias(ホホジロザメ)を挙げているが、前者は423 N、後者は9000 Nであり、DunkleosteusはCarcharodon carchariasには劣るが、相当の噛む力があったことが分かる。ちなみにCarcharodon carchariasはスティーブンスピルバーグ監督による映画ジョーズのモデルとなったサメである。しかしながら、約1800万年前から約150万年前にかけて生息していた大型サメのCarcharodon megalodon(メガロドン)は100000 Nも噛む力があったとされ、こちらの規模については、まさに開いた口が塞がらない。

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/ダンクルオステウス (閲覧2015.8.20)
2) http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5218/dankuruosuteusu.html (閲覧2015.8.20)
3) http://www.deepseanews.com/?attachment_id=4935 (閲覧2015.8.20)
4) Anderson PSL, Westneat MW: A biomechanical model of feeding kinematics for Dunkleosteus terrelli (Arthrodira, Placodermi). Paleobiology 35, 251-269, 2009.

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