地底たる謎の研究室

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アノマロカリスはおいしかったのか?



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:アノマロカリスはおいしかったのか?
報告者:トシ

 アノマロカリス(学名:genus Anomalocaris)は、カンブリア紀に生息していた生物である1)。カンブリア紀とは、約5億4200万年前から4億8830万年前の時代であり2)、その当時に最も大型で、捕食者の頂点に立っていたのが、アノマロカリスとされる3)。アノマロカリスを図に示す。今の時代には見かけない形態であるが、化石などの形態の復元から、その泳ぐ姿をシミュレーションによって見ることができる5)。左右にある羽のようなものを前後に波のように規則正しく動かし、優雅に海の中を泳いでいたようである。中国では、体長2mのアノマロカリスの化石も発見され、その当時の他の生物、例えば、よく知られている三葉虫の大きさは、平均的には5-10cm程度の種がほとんどであり6)、アノマロカリスが、当時としては如何に大きな生物であったかが分かる。

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アノマロカリスの姿4)

 一方で、今の時代にアノマロカリスに似た生物は、何か、と問われると、やはりエビかな、と思うに違いない。見た目がエビっぽい。エビに近ければ、食べたい気もする。しかしながら、アノマロカリスを食べたことがある人は、世界広しと言えども、間違いなく0である。そこで、その味については推定するしかない。
少なくとも同時期に生息していた三葉虫の味は、現在の他の節足動物(エビ、カニ、フジツボ、カメノテなど)に近かったと推定されている7)。その三葉虫のレシピは、殻が非常に固いために、まずこれを剥いて捨て、殻の中の身を湯がき、それに塩をふる、とのことである7)。それによって磯の香りが漂ってくるであろうと予測されている7)。さらに、毒もないために食べても安全であろうとのことである7)。
 それでは、アノマロカリスの味は?
 2011年に体長1mのアノマロカリスの化石をモロッコ南東部で発見した8)、イェール大学ピーボディ自然史博物館の責任者であるデレク・ブリッグス氏曰く、「これほど大きなエビなら、軍隊を1カ月でもまかなえただろう。巨大で、しかも間違いなくかなりの美味だったはず」とのことである9)。すなわち、アノマロカリスは、とても美味しいエビ的な味であったことが推定された。このことから、アノマロカリスが現在も生存していれば、その大きさも含め、伊勢エビよりも高級食材として扱われていた可能性が示唆された。



1) https://ja.wikipedia.org/wiki/アノマロカリス (閲覧2016.3.22)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/カンブリア紀 (閲覧2016.3.22)
3) http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5218/anomarokarisu.html (閲覧2016.3.22)
4) http://historyandgeekstuff.blogspot.jp/2015_06_01_archive.html (閲覧2016.3.22)
5) http://burgess-shale.rom.on.ca/en/fossil-gallery/view-species.php?id=1 (閲覧2016.3.22)
6) http://www.kaseki7.com/z_column/01.html (閲覧2016.3.22)
7) http://www.museum.tohoku.ac.jp/exhibition_info/mini/trilobite.htm (閲覧2016.3.22)
8) http://www.nature.com/nature/journal/v473/n7348/full/nature09920.html (閲覧2016.3.22)
9) http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/4341/ (閲覧2016.3.22)

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