地底たる謎の研究室

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音楽におけるデジャヴ(既聴感)



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:音楽におけるデジャヴ(既聴感)
報告者:ゴンベ

 デジャヴとは元々はフランス語でdéjà-vuとなるが、日本語では既視感と訳され、初めて見た景色なのに、見たことがあるような錯覚が起きる現象とされる1)。そのため、正確に言えば、音楽にはデジャヴという用語は使えない。当たり前であるが、音楽は見るものでなく、聴くものであるからである。フランス語で始めて聴いた音楽なのに、聴いたことがあるような錯覚が起きる様子を一体何と言うのであろうか。日本語ではさしずめ既聴感と言えばよいのであろうか。
 曲そのもののメロディをパクッたならば、それは明らかに違法である。別の音楽に影響を受けつつも、自ら作曲したものであるならば、それは違法とはならない。音楽の歴史を紐解けば、楽器としての最古のルーツは骨によるフルートとされ、3万5000年前のものとされる (この記事も参照)。ただし、それ以上に声や骨などでたたく打楽器様のものが楽器として扱われ、そこに音楽の歴史の源があることは間違いない。このことから、人類が他の民族からの影響も含めて、相当の年月で何らかの音楽的な影響を受けていることが多分に予想される。そのため、音楽がより多様化した現在では、完全なオリジナルの作曲は難しいであろう。その影響でもって、音楽でのデジャヴ(既聴感)は、風景でのデジャヴ(既視感)よりも生じやすい要因ともなる。ただし、その音楽のデジャヴ(既聴感)が、意外なミュージシャンから生じたとしたら、不思議な感覚がもたらされる。
 オーストラリアのシドニーのミュージシャンであるHigh Highs2)のアルバム「Cascades」に収録されている「How Could You Know」は、筆者にその不思議な感覚をもたらした。その曲を聴いてみると分かるが、何故かいい意味で日本の作曲のように感じてならない。
 High Highsは、現在までに4枚のアルバムを出している3)。その中でも筆者は、個人的にアルバム「Open Season」を好んでよく聴いている。そのHigh HighsはJack Milasと Oli Changによる二人組のバンドで、2010年に結成されたバンドである4)。ここで、ファーストアルバムのジャケット(図)を示すと、彼らの名が示す通り、左がJack Milasで、右がOli Changであろうことが予想される。Changという名の通りで、Oli Changのルーツはたぶん東洋、しかも、たぶん中国にそれがあるかと思われる。すなわち、先の曲「How Could You Know」に感じたデジャヴ(既聴感)は、日本の曲というよりも東洋的な流れが根底にあった可能性もある。しかしながら、High Highsはオーストラリアで、英国的な流れもあり、微妙なブレンド感がとても素敵なバンドである。

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図 High HighsのOcean To City3)




1) http://dic.nicovideo.jp/a/デジャブ (閲覧2016.6.18)
2) http://www.highhighs.com/ (閲覧2016.6.18)
3) http://highhighsmusic.bandcamp.com/ (閲覧2016.6.18)
4) https://en.wikipedia.org/wiki/High_Highs (閲覧2016.6.18)

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