地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

こぶちゃんブランド



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:こぶちゃんブランド
報告者:ダレナン

 本物語は、この物語の続きです。

 事細かに話したものの、その真っ黒な宇宙服を着た人はあまりピンとは来ていない様子がうかがわれた。最初は、話よりもケーキに夢中なのかとばかり思っていたが、どうやらそうではなかった。

真っ黒な宇宙服を着た人:「で、君の着陸船には冷蔵機能はない、とそういうことかね」
僕:「はい。この船に冷蔵機能があるのを見て、少し驚いています。」
「ふむ。すでにここ何年かは宇宙船に冷蔵機能があるのはもはや標準装備。もしこれがなければ、相当の旧式だとみるが、君の着陸船は、何年製かね」
「今年です」
「今年?」
「そうです…」
「ふむぅ…」

 そうして、その人は悩んでいた。悩みながら、いつの間にかテーブルの上のケーキをすっかり平らげていた。テーブルにかちかっちとスプーンがあたる音がした。それを確認して、その人はテーブル横のボタンを押した。すると、別のケーキがテーブルの上に出てきた。

「まっ、まっ、こっちも食べてみたまえ」
「はい」

 こっちはチーズケーキっぽい感じがした。ただ、普段食べているチーズっぽさと違うチーズ味がする。そこで、その人に尋ねてみると、

「これか…、これラクダのチーズや。ほらっ、君がさっき埋めたラクダのチーズ。これ、こぶちゃんブランドのチーズやで」

「えっ?」
「君は、やっぱり気がつかなんだか。Moon Town計画は、すでに200年以上も前の計画や。確か、そん時の創設者が、ナーシなんとかちゅう人やったかもしれんが、いまはもうちゃうで」

「えっ?」
「しっかし、奇妙な話やな。あのこぶちゃんを埋めたのがあんただとは…」

「えっ?」

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