地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

ブリキの太鼓 の検索結果:

“かるしゅうーむ”摂っとる

…あろうオスカルが叩くブリキの太鼓の音が聞こえた。 {人は生まれた時も死ぬ時も皆独りだ。そばには生んでくれたお母がいる。場合によっては、お婆もいる。しかし、双子であっても、三つ子であっても、それぞれがそれぞれに生まれる。受精卵からその運命は決まっている。いやその前からの生死の、そして精子の神的旅行が生み出す神秘の世界だ。 ヒヨコもこれと同じだ。ヒヨコの意志をクミちゃんし、お母となるめんどりがいるも、ぽこんと生まれるタマゴは一つだ。一つしかない。タマゴに選ばれるべき、神託も一つな…

生まれる前のたまご

… それはタケヒサ・オスカルだ。 シズコのお腹に手を当てるたびに、僕は心の中でつぶやいた。 (オスカル。3歳になったらブリキの太鼓を買ってあげるよ。きっとだ。それは君に大いなる能力をもたらすことになる。期待してくれ、タケヒサ・オスカル) そう念じると、胎動が盛んになってくる。そんな気がした。シズコもその様子に、 「ダリオくんが手を当てると、オスカルくん、とても喜んでいるみたい」と言ってくれた。From ここから。© 2015 This is 地底たる謎の研究室 version。

二つの海洋

…な服を着て、首からはブリキの太鼓を下げていた。 彼は、とことことことこ、と軽快にそれを鳴らしている。(ほら、どう?)と、クミちゃんはその子どもの顔を僕に近づけた。にかーっとその子どもは満面の満面の笑みを浮かべた。その笑い顔が僕にそっくりだった、気がした。(オスカル~、パパよ~、xxxx、xxxxxxx……….. そうこうするうちに、だんだんと幻覚がぼやけ始めたことに気づいた。光をくれた人はだんだんと終焉に向かい、僕は途中のシーンで目に何だか涙が溢れ出ていた。 なぜだか知ってい…

ミルクチョコレートのような時間

…ゃんは、愛おしそうにブリキの太鼓をもっているヒヨコの頭をなでていた。これは、これは、本当に僕の子どもなのか、なのだろうか? ヒヨコの名札には、”くっくどぅーどるどぅ”と書かれてはなく、”ワカモト・オスカル”と書かれている。 Not ”くっくどぅーどるどぅ”, He is ”ワカモト・オスカル” made by ダリオ. (あなたの子なのよ) あるいは、クミちゃんとの伊香保温泉での大浴場の出来事も、脳裏に鮮明に浮き出していた。 溶け合う肌、 もれる吐息、 見つめ合いつつ、 そし…

ブリキの太鼓

題名:ブリキの太鼓報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。「ねぇ、シズコ。シズコって、ワカモト・クミちゃんと以前一緒に働いてたんだよね」「そうだけど。また彼女と浮気したいわけ?」「いや、そうじゃないんだけど。シズコは、クミちゃんの居場所って知ってるのかな~と思ってさ」「知っているよ。もちろん」「もちろん?」「そうだよ、クミとは姉妹みたいなもんだから、今でも連絡とってるよ。知らなかった? ダリオくんの浮気は、クミから直接聞いたもん」「直接?」「そうなの。最初、クミから好…

何かを失った彷徨える蜂のようだった。

…信に満ち溢れながら、ブリキの太鼓を叩き、叫んでいた。ヒヨコは、クミちゃんに褒められれば褒められるほど、まるでその状態をより亢進するかの如く、次々とニワトリの頭をシュレッダーしていた。その勢いは、ホッチキスに留まらず、CDやDVDも裁断できるような仕様だった。 NEWシュレッダー。新たなる裁断機。 「ねぇ、随分とお風呂長いけど、大丈夫?」、シズコが心配そうに風呂を覗きに来た。 その後の話では、やっぱり僕はさかさまになっていたらしかった。ふくろもさかさまでふろくとなり、まさにすけ…

うんこ文章

…はヒヨコがいた。あのブリキの太鼓を首から下げているヒヨコだった。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(arguments)};c.getElementById(a)||(d=c…

王冠が外れる

…、彼それとも彼女は、ブリキの太鼓を激しく叩き、先ほど以上に、再びきょぇーと奇声を上げた。 パリ――ン… 号令した二匹目のニワトリこけっこーの頭が吹っ飛んだ。 ニワトリこけっこーの一団は後ずさりした。一団の顔には、明らかに恐怖の表情が見えた。 その後、こけっこーの誰もが、くっくどぅーどるどぅに対して命令しなくなった。目の前には、頭のない二羽の鶏の死骸が転がっていた。頭は見事に粉々だった。かなり裁断の能力が高いシュレッダーであることが分かる。祭壇からは、お鈴のチーンという音ともに…

チーン

…く。同時に、頭の中でブリキの太鼓をたたいているかのようにがんがんとする音も鳴り響いていた。そのちぐはぐな状況にめまいがして、僕はベンチからどうしても腰を上げることができなかった。 目の前にはハトが何かをついばんでいる。ハトは、くるっくーと鳴いていた。その鳴き声は、ニワトリとの違いを鮮明にさせた。 くるっくー、こけっこー、はとぽっぽ。 鮮明なまでの両者の、両鶏の声の違いは、いつの間にか、目の前の像をこけっこーと名札のつけたニワトリの行進にすり替えていた。行進の最後列には、きょろ…

David Sylvianに伴う詩情性について

…なるフルアルバムの「ブリキの太鼓」は、東洋調のリズムやメロディを導入し、他の英国のバンドとは異なる地位を確立できた。その曲の異質性は、David Sylvianの比類なき統合性もあるが、Steve JansenやMick Karnの卓越なる技量に追うところも非常に多かった。Japanの解散の背景には、SylvianとKarnの確執もあるが2)、SylvianとKarnには単なるバンドとしてのJapanの活動だけではない芸術家側面の人知れずエゴがその裏にあったと思われる。そのK…