地底たる謎の研究室

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写真の歴史を紐解き、当時の画家への影響を考える



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:写真の歴史を紐解き、当時の画家への影響を考える
報告者:アダム&ナッシュ

 本記事は、この記事の続きです。

 先のこの記事にて写真と絵画の技術の違いについて述べるとともに、近年では写真もアートとして成り立つことを述べた。さらに、絵画からの影響を受けた写真を、イスラエルの写真家であるZachar Rise氏の写真からの一例で示した。ここでは、写真の過去の歴史を紐解きつつ、写真が発展した当時の画家に対して、写真がどのような影響を与えたのかについて、類推したい。
 写真の歴史に関しては、カメラの歴史を述べる方が早い。カメラの歴史は、ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールとジョゼフ・ニセフォール・ニエプスにより、1836年に最初の実用的な写真技術であるダゲレオタイプを発明したことが、事実上、フィルムカメラの歴史の始まりとなるであろう1), 2)。現在のカラーフィルムには、大まかに分類して、ポジティブフィルムとネガティブフィルムがあるが、その説明を図に示す。上がネガティブフィルムによるプリントまでの流れ、下がポジティブフィルムのそれであるが、これを見れば分かるように、ネガティブフィルムは色が反転しているために、現像後のフィルムはそのままでは使えないが、ポジティブフィルムは現像の時点で完成しているのが異なる。この図からも予想できるが、ネガティブフィルムは大量のプリントに向いているが、ポジティブフィルムは現像したものが唯一の画像となり大量のプリントには不向きである。

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図 ポジティブフィルムとネガティブフィルム3)

ちなみに、ダゲレオタイプは、ポジティブフィルムを使った方法に相当する(ただし、当時はモノクロのポジティブフィルム)。カメラのこの記事で示したカメラの原型であるカメラ・オブスクラはレンズと箱で構成されたが、そこに映し出された像を残すことはできなかった。その像が残すことが出来るようになったのが、このダゲレオタイプになる。一方、タゲレオタイプからほどなくして、1941年にウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットはカロタイプと呼ばれる写真技法の発明により特許を得るが、こちらはネガティブフィルムを用いる1), 4)。さらに、1871年のリチャード・リーチ・マドックスによる写真乾板の発明でもって、現在のフィルムカメラにも通じる基礎的な技術の歴史が完成したと言えよう。この当時に活躍した画家には、エドゥアール・マネ、クロード・モネらといった印象派の画家が多いが、この印象派が広まった歴史の背景には、このカメラの発展から、写真の歴史が飛躍的に変化したことも皆無ではない。すなわち、印象派は、絵画自体で現実を忠実に描くよりも、より絵画の特性を伸ばす方向で進化した絵画手法とも言える。

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/カメラの歴史 (閲覧2016.9.20)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/ダゲレオタイプ (閲覧2016.9.20)
3) http://makotoot.com/blog/x-process-art-filter/ (閲覧2016.9.20)
4) https://ja.wikipedia.org/wiki/カロタイプ (閲覧2016.9.20)

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