地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

受胎告知

題名:受胎告知報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 この世の中に、時代を一変するようなクレバーな人物がいるとすれば、Moon Town宇宙科学研究所の所長、ジムズ・キャロメン博士はその一人であったといえよう。 彼は、Moon Town宇宙科学研究所…

ロケットの積み荷

題名:ロケットの積み荷報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 ヴェルヌーブ氏は、フランコ・ハバド氏の最期の願いを載せ、打ちあがってゆくロケットを傍から眺めながら、その周りの星々を鑑賞した。暗い闇に光る星々。Stars (Remastered 2005)。…

最期の願い

題名:最期の願い報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 ジュニ・ヴェルヌーブ氏の予想を待たずして、フランコ・ハバド氏は「地球の輩からテキトーに見繕った子種」の会話から、その子種の実体を見届けることなく、5日後に息を引きとった。いわば…

子種の人物

題名:子種の人物報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 ヴェルヌーブ氏:「かし…こまりました」 ジュニ・ヴェルヌーブ氏は、病床に臥せっているフランコ・ハバド氏に「かしこまりました」と誓ったものの、子種の選定にはやややっかいな問題が潜…

かしこまりました

題名:かしこまりました報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 よわいにして87の頃。地球に居るフランコ・ハバド氏は日に日に体の衰えを感じていた。ただ、かつてよりも眼光は鋭く、病床で臥せっていてもやたら喧騒を振りまいていた。側近でCreat…

執着の疫の象徴

題名:執着の疫の象徴報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 ツキオは、Moon Townを、月の世界を、巡回しながらパトロールしていた。近年のMoon Townは、かつてのあの食糧難での喧噪も落ち着きを取り戻し、それとともに治安も落ち着きつつあった…

私の欲求

題名:私の欲求報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 (人の人生は、すべてが欲望なのよ…。欲望から来るの、ツキオくん…) ダオッコ博士はキーコの蘇りのために、ツキオの記憶を検索しながら、ツキオの、個人の人生の中にある欲望の付加の作用に…

すべてが欲望

題名:すべてが欲望報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 ダン・ダオッコ博士は、仕事に対してはいつも厳格な対処で臨んでいた。今回のツキオの実験に対しても、自分なりの研究者としての勝算があると見込しての実施であった。ただ、思ったより…

若干の変化

題名:若干の変化報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 ダン・ダオッコ博士は、ツキオからキーコの蘇りに対して、これを了承し、最新式の記憶装置によってツキオの記憶からキーコの想い出を引き出すことに成功した。その記憶のキーも発見できた…

昏睡状態

題名:昏睡状態報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 気が付くと、そのドラゴンは僕を背に乗せ、羽ばたいていた。まじかで見ると、真っ白なドラゴン。とても美しい毛並みを持っていた。ふわふわと揺れる毛並みの中で、僕は、この湖が少し塩気を…