地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

湖底には

題名:湖底には報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 ベッドに横たわっていると、ダオッコ博士は軽快に指をならした。パチン。すると、またも上からあの機械の棒がしゅるしゅると降りてきた。上部からの降り方も前回に増して勢いがあるようにも…

半分人間ハルバー・メンシュ。

題名:半分人間ハルバー・メンシュ。報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 「でもね。ツキオの父さんがダミーだって構やしない。だって、ツキオは母さんの子だもの…。ごほっ…」 その後、母は急に激しく吐血した。そうして、そこから次第に目を閉…

父がダミー

題名:父がダミー報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 死神にとりつかれた僕は、もはやイケメンではなかった。ブラピではなくなっていた。キーコと居る幸せが、僕をブラピなりに輝かせていたが、次第に迫る僕の劣等感で、耳元でキーッキーッキ…

イケメンではなかった

題名:イケメンではなかった報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 Moon Town宇宙科学研究所に着くと、ダン・ダオッコ博士が入口の前で満面の笑みを浮かべていた。僕が歩いて来るのを見つけると、ダオッコ博士はひときわ輝いた笑顔を見せた。「ツ…

永遠のしあわせ。

題名:永遠のしあわせ。報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 第4人工ドームから、第5人工ドームに向かって歩く通路の、その夢を見ている間、僕はキーコとの間にあった出来事を反芻していた。それは、The Space for Loveであり、ただ単なる宇宙…

愛の信頼と責任

題名:愛の信頼と責任報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 キーッキーッキーッ、というあの車輪の音が聞こえるたびに、僕はいつも何かを失っていった。目の前に居るキーコに対しても、僕は何かを見失っていた。 この音は何だろうか…。 車輪が回…

何かを失って

題名:何かを失って報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 ダオッコ博士:「私も開発に関わった最新式の記憶操作の機器を使っているので、とんでもないことにはならないと思うけど…。ツキオくん、本当に大丈夫?」僕:「大丈夫だと思います…たぶ…

たぶん…

題名:たぶん…報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 恋は目に見えない。ましてや愛など影も形も見えない。なのに、皆、平然と、恋した、だの、愛してる、だのと宣う。だから、そのレベルインジケータが人間の額にあればいいのだ。そのレベルイン…

恋の以心伝心

題名:恋の以心伝心報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 壇上に立って業務の手筈について説明しているキーコは、特別な光を放っていた。 この世の光には光速がある。すなわち、光には一定の、限界の速度が宇宙空間で支配されている。でも、その…

初めての出逢い

題名:初めての出逢い報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 意は決した。次の日に、Moon Town自警団の募集場所、第3人工ドームの集会場まで足を運んだ。 集会場に入ると、僕が思っていたよりも意外とそこに居る人は少なかった。せいぜい7人ほど…