地底たる謎の研究室

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生体リズムとそのシステム概要


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題名:生体リズムとそのシステム概要
報告者:ムトウ

 日が昇り、日が沈み、そしてまた、日が昇る。当たり前の周期であるが、これは地球の自転によってもたらされ、太陽と地球との位置関係によって陰と陽を生じる。その時間は一般的には24時間とされる。しかしながら、厳密に測定すると実は地球の回転速度にはムラがあり、遠くの星に対する地球の自転を考えた場合、地球は約23時間56分で1回転する1)。4年に一回調整されるうるう年はこれを補正する日となる1)。
 一方、このような自転を持つ地球に生まれた生物の多くは、この周期を無視することなく、体内にこのおおよそ24時間というリズム(律動)が組み込まれている。ドイツの生理学者であったJürgen Aschoff博士は、ヒトの体内にあるこのリズムを、洞窟での隔離実験から、ヒトの体内にあるリズムが25時間であることを突き止めた2)。1962年のことである。この内在性振動子の産物は、概日リズム(サーカディアンリズム)と呼ばれるが、Aschoff博士はその研究の基礎を築いたことになる3)。現在は、さらにこの概日リズムを正確に測ることができるようになり、Charles Czeisler 博士らによって24.18時間であることが判明している4)。ちなみに、この概日リズムは、影と光を様々に変えた環境下でもリズムとして存在し、昆虫でもそれが認められている5)。このことから、概日リズムは、生体内に組み込まれたリズムといえる。そこで、次は、この概日リズムを作りだしているシステムの概要について説明したい。
 埼玉医科大学の池田正明博士6)によれば、概日リズムを構成する3つのシステムがあり、①入力システム、②発振システム、③出力システム、である。①の入力システムは、外界の光環境などの日内変動を検知し、それを発振システムに送り、位相のズレを修正する情報を与える役割がある6)。②の発振システムは24時間の時計発振をするシステムである6)。③の出力システムは脳や末梢臓器を発振させ、臓器固有の代謝リズムや輸送体がリズム性に分子を輸送するなどの変動を起こすシステムである6)。さらにこの3つのシステムに深く関わっているのが、脳の時計ともいえる視交叉上核(suprachiasmatic nucleus:SCN)という領域である。図にSCNを示す。ただし、この図にもあるように、SCNのリズムは、主に光によって環境のリズムと同調することができるも、夜間の前半に光を受けると時計が遅れ、夜間の後半に光を受けると時計が進む7)。このことから、24時間と組み込まれた生体リズムも、状況によってはタイミングが狂う。それによってもたらされる一つに、概日リズムの



図 視交叉上核(SCN)7)

睡眠障害がある6)。

1) https://www.nao.ac.jp/faq/a0403.html (閲覧2017.12.13)
2) https://staff.aist.go.jp/s-hanai/history.html#1962 (閲覧2017.12.13)
3) https://www.nature.com/articles/24750 (閲覧2017.12.13)
4) Czeisler CA.,et al.: Stability, precision, and near-24-hour period of the human circadian pacemaker. Science 25: 2177-2181, 1999.
5) Pavlidis, T: Biological Oscillators: Their Mathematical Analysis. Academic Press. 2012.
6) 池田正明: 生体リズム研究の現在 -時計遺伝子の機能と疾患の接点を中心として-. 外科と代謝・栄養 49: 319-326, 2015.
7) https://ja.wikipedia.org/wiki/視交叉上核 (閲覧2017.12.13)

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