地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

ヒト性的二形に纏わる「愛」の社会的諸問題



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:ヒト性的二形に纏わる「愛」の社会的諸問題
報告者:ナンカイン

 本記事は、この記事の続きです。

 ヒトの性的二形は先の記事が示すように、生物の多様性を第一義とする進化の戦略でもある。しかしながら、ヒトは自らの分裂によって、子孫を増やすことは間違いなく不可能であり、性別の異なる互いの交配によってのみ、子孫の繁栄が自然界によって約束されている。ただし、時とともに、ips細胞の研究が進むことによって、性別二形という形態でなくても、ヒトという人類の繁栄を次の世代に引き継ぐことも可能となることも、やがて訪れるかもしれない。しかしながら、現段階ではその十分な検証は得られてはいない。そのため、今はまだ進化の道筋に辿って、交配することが人類の繁栄をもたらすという理が最も叶っている。
 ヒトでは、先の記事にも示したように、転換や温度によって性が決まる、という例はない。もっぱら出生時にすでに性別が決定されているのは、誰しもが明らかなことである。それによって起こり得る問題が、「愛」となる。この記事でも示されたように、「愛」は目に見えない。ましてや形もない。目にも見えなく、形もない「愛」がなぜ人類の共通の概念となっているのかは、これ自体が不思議なことではある。ただ、「愛」があるからこそ、人類の繁栄がもたらされた、ことは間違いないであろう。すると、それにまつわる諸問題もヒトとしての人類の歩から多く存在する。それが、ヒト社会における「愛」に関する諸問題へと発展する。
 同じように考え、同じようなことを考えても、2人は1つ、になれるのであろうか。あるいは、同じように感じる、同じことを考えたい、同じことを考える、ことはあるのであろうか。これは映画「禁じられた二人(原題:Amar(愛する))」のセリフでもあるが、これが、いいえて妙である。
 この映画はスペイン映画であり、これが初の長編となるEsteban Crespo監督による作品であるが、Web上では軒並み酷評の作品である(さらにその描写からR-18だろう作品)。しかしながら、この映画の象徴的なシーンでもある図の状況は、おかしな状況でありつつも、ヒト性的ニ形が分別した状況を打開するとして、

私はあなた
あなたは私
あなたを感じる
幸せなひと時

のセリフを分かりやすく示している。



図 「禁じられた二人(原題:Amar(愛する))]」の一シーン1)

ただし、ヒトは性的二形でありつつも、ヒト社会において、ヒトはあくまでも他の目を意識せざるを得ない社会的な存在でもある。ゆえに、セリフ:「2人の体は、自然と溶け合う、幸せなひと時、そんな瞬間がある、あなたの中にいる夢、僕が消えても、体の中で感じる、君の中にいる」、も、その瞬間は永遠には続かない。「愛」はヒト社会での共通の概念であっても、目に見えず、形がないために、うつろいやすい。ここが大いなる問題でもある。同時に、これが「愛」の最大の利点かもしれない。

1) https://lakatarsisdelcinespanyol.wordpress.com/2017/03/04/trailer-de-amar-la-opera-prima-de-esteban-crespo/ (閲覧2018.2.11)

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