題名:舞妓はんのことばとメイクにおける伝統
報告者:アダム&ナッシュ
「おおきに」、「すんまへん」、「おたのもうします」とは、舞妓はんにとって、お座敷が務まるといわれる3つの京ことばになるが1)、その通りで、舞妓はんにはやはり京ことばがよく似合う。それぞれのことばの意味は、「おおきに」:感謝のことば、「すんまへん」:失敗を認めて明日へ踏み出すためのことば、「おたのもうします」:精一杯努力しますという気構えのことば、になるが1)、よくよく考えると、人との関わりにおける最も大事なことばとして、これ3つで実際は要約できるのかもしれない。さらには、京ことばのイントネーションは耳触りが良く、控えめな表現で相手への思いやりのこころが垣間見られる。それは、お座敷で客をもてなすための気持ちの表れでもあるが2)、それゆえに、京ことばは、日本における、古くて、熟した、文化のあることばともいえようか。京ことばを操る、舞妓はんも、それによって一層、はんなり(*)と色めく。
一方、ことば(言葉)は立居(たちい)を表す4)。すなわち、日常の動作における話し方には、その人の人格・性行までもが表現される4)。これも事実である。そのため、芸(日常の所作)を極めるには、それ相応の年期が必要となる。やがて、芸妓さんとして一流になるためには、まず舞妓はんとして修業段階が設けられる。文献5)に記載されているように、舞妓はんは文字通り舞を舞う(おどりをおどる)20歳未満の女子であるが、芸妓さんになるとその他にも三味線や歌やいろいろな芸事が出来なければ勤まらない。
舞妓はんのことばと同じくして、重要なのがメイクになる。例えば、図に舞妓はんの写真を示す。図は、祇園甲部の舞妓・まめ藤さんになると思われるが、すでに舞妓はんとしては引退しているも7)、そのはんなりとした色めきは、一流の舞妓はんならでは、のものであろう。そして、図を見ると、顔にお白いが塗られているのがよく分かる。さらに、首の後ろ(うなじ)当たりはあまり塗られていないのも分かる。この白塗りに関しては、昔は電気の灯りがないのでロウソクの火で美しくみえるために白塗りをしたといわれている5)。さらに、芸妓さんより幼いことから、アイラインなども控えめにメイクする5)。そして、うなじにおける白塗りがない理由に関しては、かつての日本の男性は、うなじに色気が感じたことに起因している8)。舞妓はんのことばとメイクだけでも、そこにはやはり伝統があった。
図 舞妓はんの写真6)
* はんなり: 華やかで上品さと気品も兼ね備えている様子、粋で知的な様、明るく鮮やかである様、陽気な明るさ、すかっとした様、落ち着いた様、などを示す3)。
1) http://windy.air-nifty.com/note/2009/01/post-eb7a.html (閲覧2018.12.20)
2) http://careergarden.jp/maiko/kotoba/ (閲覧2018.12.20)
3) https://mayonez.jp/topic/1021063 (閲覧2018.12.20)
4) https://dictionary.goo.ne.jp/jn/80657/meaning/m0u/ (閲覧2018.12.20)
5) https://www.kyoto-maiko.yumeyakata.com/maikofaq (閲覧2018.12.20)
6) https://www.pinterest.jp/pin/17592254774837044/ (閲覧2018.12.20)
7) http://hanamachitimes.com/mamefuji-intai-20160501/ (閲覧2018.12.20)
8) https://www.nagaitoshiya.com/ja/2008/geisha-nape-makeup/ (閲覧2018.12.20)
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