地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

ユメセカイへの同期



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:ユメセカイへの同期
報告者:ダレナン

 本物語は、この物語の続きです。

 僕の左手首につけているスマウの表示がエヴァンジェリンから聞いた祖母トミヨの話で、PULSE 92から116へと変化していた。相当に緊張度を増している。ことの次第をエヴァンジェリンから詳しく聞こうとしたが、搭乗口でもたもたしていると、時間がなくなり聞きそびれた。ワルシャワ・フレデリック・ショパン空港についてから、ゆっくりと聞こう。
 飛行機の中で僕はC11、エヴァンジェリンはG26に向かった。座る前にお互いに手を振り、確認しあってから席についた。胸の高まりが収まらなかった。スマウの表示はさらにPULSE 120を示していた。心臓の鼓動が、まるで和太鼓奏者が激しく面をバチで打っているかのように動悸を感じられた。それでも、座ってしばらく深呼吸すると落ち着きを取り戻し、トム・コリンズ氏あるいはジン・トニック氏の支配下からも徐々に逃れてきている感じもあった。が、今度は、離陸前に猛烈な眠気に襲われ、動悸はユメセカイへの同期へと変化し、僕は再びREM睡眠へと陥った。

 ユメセカイで、あの子ネコ”りどる”が現れた。
「おふぃーすさんろくごと、どろっぷぼっくすで、かんぜんにどうきとれてるにゃん」
「そうだね。いい感じだよ。OneDriveの方がMicrosoftとしては推奨だろうけれども…Oneだと犬になっちゃうワン」
「だから、どろっぷぼっくす、だにゃんてー、ちみもしゃれてるにゃん」
「Dropboxの方が昔から利用しているから、どうしてもこっちを使っちゃう」
「にゃんるほど…。で、ちみはいま、いったいこのユメセカイで、どこからあくせすしてるにゃんか?」
 そして、彼の奥に何かが飛んでいることに僕は気づいた。ドラゴンっぽい感じがした。そのドラゴンはどうやらSnapを利かせている。つまりはSnapdragonだろうか….。いや違う。スカイフィッシュだ、いやUnidentified Flying Object、UFOだ。それも日清の。
「ゆーふぉ、だららだっだっだ、だららだったった、てーおあわせて、みつめるだけーでー」
 “りどる”は陽気に歌いだした。まるで、あの時のカラオケ…、そうだ思い出した。あの時、りどるはカラオケで歌った後、ちゅるちゅるとノンフライ麺であるところの赤からうどんを僕にすすめてくれたんだ。
「りどる…、思い出したよ。実はChrome OSにあこがれているんだけれども、僕、こうゆうのにとても弱いんだ…(図)」
「にゃんるほどね…、でも、これだとすまほのきしゅへんになっちゃうにゃん」



図 こういうの1)

1) https://www.indiegogo.com/projects/astro-slide-5g-transformer#/ (閲覧2021.6.2)

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