地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

ベルトコンベアが動き始めた



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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pocket LINE

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題名:ベルトコンベアが動き始めた
報告者:ダレナン

 本物語は、この物語の続きです。

 SIM交換することで、スマホ内部の僕は、外部のわたしにコネクトし、僕は僕に戻った。わたしから僕への移行時にポーランドまで旅立つ計画を実行した。そして今、飛行機を降りる際、ふと鏡面に映った自分の姿が見えた。おかしなことに僕の姿が随分と若返っている。今の今までそのことにまったく気づかなかった。

 どういうことなんだ。

 飛行機の出口でエヴァンジェリンと合流し、ともに軽くキスをした。僕の□□はすでに落ち着いていた。ただ、僕は、若返ったそのことが気になっていためにエヴァンジェリンに確認してみた。すると、エヴァンジェリン曰く、「逢った時から少なくとも見た目は変わってないよ」ということだった。

 どういうことなんだろうか。

 ユメセカイへの同期がきっかけなのだろうか。いやそれはポーランド行きの飛行機に乗ってからの話なはずだ。すると、もっと前の段階で僕は若返ったことになる。

 SIM交換した時に何かあったのだろうか。

 スマホの電源を入れると、(にゃおーん)と聞こえた。エヴァンジェリンもそれを耳にしたみたいだった。「あっ、リドルが鳴いた…。えっ、動いてる…」と彼女は僕のスマホの画面を確認した。僕もじっくりと確認した。画像だったはずなのにわずかに動いている。
僕:「さっきまた、飛行機内で寝てしまったんだ。すると、やっぱり夢の中にこのりどるが現れた。彼はUFOを豪馳走してくれた」
エヴァンジェリン:「UFO?」
僕:「日清のカップ焼きそば」
 僕はすかさず検索した画像を見せた(図)。



図 濃厚ソース1)

エヴァンジェリン:「へー、そんなのあるんだ」
 エヴァンジェリンは感心しながら僕の手を自然に握った。僕もその存在を確かめるように手を握り返した。エヴァンジェリンが微笑んだ。僕たち二人は、一緒にそのまま荷物受取所まで向かった。
 荷物受取所でしばらく待っていると、ゴトンと音がしてベルトコンベアが動き始めた。



1) https://store.nissin.com/jp/products/product/1011109/ (閲覧2021.6.3)

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